◎カドゥナ州は武装勢力の攻撃を最も受けている地域のひとつである。
ナイジェリア北部、武装勢力の戦闘員(Pius Utomi Ekpei/AFP通信/Getty Images)

ナイジェリア当局は20日、武装集団が北部カドゥナ州の集落を襲撃し、20人以上を殺害したと明らかにした。

AFP通信によると、武装集団は2つの村を襲い、家畜や食料を盗んだうえで、28~37人を殺害したという。

地元メディアは「バンディッツ」と呼ばれる武装集団の犯行と伝えている。

この犯罪組織は何年も前から北西部と中央部の村を襲い、家畜を盗み、身代金目的で人々を誘拐し、食料を略奪し、家を焼き払うなどしている。

襲撃を受けた村の代表は地元テレビ局の取材に対し、「100軒以上の民家が焼き払われ、少なくとも37人が処刑された」と語った。

別のメディアは情報筋の話を引用し、「28人がナタで切り殺された」と報じている。

カドゥナ州政府の報道官は声明で、「テロリストの襲撃で死者が出たことを認識している」と述べるにとどめた。

また報道官は「陸軍にテロリストの追跡と周辺地域の警備を要請した」と明らかにした。

カドゥナ州は武装勢力の攻撃を最も受けている地域のひとつである。

同州内では遊牧民と地元住民による水・土地をめぐる争いが絶えない。この争いは民族と宗教が関連していることで複雑化し、解決の目途は全く立っていない。

まもなく2期8年の任期を終えるブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は暴力を終結させると約束したが、イスラム過激派組織ボコ・ハラムや武装勢力の勢いに押されている。

一部のアナリストは家畜や食料目当てで犯罪を繰り返す武装勢力とイスラム過激派が協力関係を結ぶ可能性があると懸念している。

ボコ・ハラムはナイジェリア軍と10年近く戦っている。

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