◎ナイジェリア軍は北部に拠点を置くイスラム過激派組織ボコ・ハラムと戦争状態にあり、ドローン空爆を多用している。
ナイジェリア、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images)

ナイジェリア当局は25日、北西部地域でドローンによる空爆とみられる攻撃が確認され、地元の民兵少なくとも21人が死亡したと明らかにした。

AP通信によると、攻撃は24日に首都アブジャの西に位置するナイジャ州で確認されたという。ナイジャ州は同国の中で最も治安の悪い州のひとつであり、複数の武装勢力が拠点を置いている。

ナイジャ州で活動する民間防衛チームの報道官はAPに、「住民から武装勢力が暴れているという報告を受け、現場に急行し、ドローン空爆に見舞われた」と語った。

警察や軍の管理が行き届かない地域では主に民兵が武装勢力を取り締まっており、軍と共同作戦を実施することも珍しくない。

民間防衛チームの報道官は「この空爆で民兵少なくとも21人が死亡し、重傷者や行方不明者が多数いる」と説明。死者はさらに増える可能性が高いと述べた。

また報道官は「誰が空爆したかは分からない」と強調した。

ナイジェリア軍は北部に拠点を置くイスラム過激派組織ボコ・ハラムと戦争状態にあり、ドローン空爆を多用している。

ナイジャ州警察の広報担当はAPの取材に対し、「同州内で軍事作戦が行われていた」と語った。

地元メディアによると、ナイジェリア軍と政府は声明を出しておらず、質問も受け付けなかったという。

ナイジャ州政府は25日、「民兵が死亡したことを認識しており、州政府の要員2名を現場に派遣し、警察と調査に当たる」と声明を出した。

ナイジェリア軍は武装勢力の取り締まりに追われており、地上戦よりリスクが低く時間がかからない空爆を多用する傾向がある。

2017年には難民キャンプが誤爆され、市民100人以上が死亡した。

2021年には過激派を狙ったとされる戦闘機が軍のトラックを誤爆し、兵士が犠牲になった。

ラゴスに拠点を置くセキュリティ会社SSBインテリジェンスによると、ナイジェリア軍の情報管理はいい加減で、誤情報を基に空爆を行うことも少なくないという。

また「説明責任の欠如」も誤爆に拍車をかけているようだ。「軍は誤爆を認めず、民間人を多数殺害したにもかかわらず、責任を問われた者はひとりもいません...」

米軍の無人偵察機(Getty Images)
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