◎イスラム過激派組織ボコ・ハラムは牛農家が多く住む集落を襲い17人を殺害。牛を連れ去った
2017年2月24日/ナイジェリア北東部の集落(Lekan Oyekanmi/AP通信)

ナイジェリアの地元当局は26日、イスラム過激派組織ボコ・ハラムが北東部ボルノ州の集落を襲撃し、少なくとも17人を殺害したと明らかにした。

地元の民兵組織によると、ボコ・ハラムは牛農家が多く住む集落を襲い17人を殺害。牛を連れ去ったという。

AFP通信は民兵組織の報道官の話を引用し、「牧夫17人が反撃を試みたが、全員死亡し、牛はすべて連れ去られた」と報じている。

報道官によると、牧夫たちは銃器で応戦したものの、ボコ・ハラム戦闘員の数に圧倒されたという。

攻撃後、ボコ・ハラムは牛を連れ、近くの森に逃走した。

ボコ・ハラムは北東部地域に拠点を置き、ナイジェリアだけでなく周辺国にも攻撃を仕掛けている。その目的はシャリア(イスラム法)に基づくイスラム国家を建設することである。

国連によると、ボコ・ハラムの暴力の犠牲者はこの10年で4万人を超え、数百万人が避難を余儀なくされた。

AFP通信によると、今回襲撃を受けた集落はボコ・ハラムから分裂したイスラム国(ISIS)系組織の支配下に置かれていたが、昨年5月にその指導者が殺害され、支配権を失いつつあるという。

ボコ・ハラムは軍や民兵がスパイ活動をしていると主張し、民間人への攻撃を繰り返している。

地元当局によると、ボコ・ハラムに上納金を支払う市民は身の安全を保証されるという。

ナイジェリア北部の紛争は近隣のニジェール、チャド、カメルーンにも波及し、過激派と戦う地域軍を創設するきっかけとなった。

ナイジェリアの治安危機は北東部から全国に広がり、多くの市民が過激派や武装勢力の攻撃で殺害されている。

有権者は来年2月25日にブハリ(Muhammadu Buhari)大統領の後任を選ぶ予定だ。ブハリ氏は8年前に暴力を終結させると約束して就任したが、過激派の勢いに押されている。

2017年2月20日/ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)
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