◎ナイジェリア中部では地元コミュニティと牧畜民が水資源を争い、何十年も対立している。
ナイジェリア、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images)

ナイジェリア当局は22日、武装集団が中部の2つの集落を襲撃し、市民少なくとも14人を殺害したと発表した。

中部ベヌエ州の政府報道官は声明で、「テロリストは21日深夜、州内の集落を襲撃し、銃を乱射した」と説明した。

州警察によると、武装集団は1つ目の集落で住民少なくとも12人を射殺し、別の集落に移動後、2人を殺害。15人が重傷を負ったという。

州警察は若い牧畜民で構成される「盗賊」と呼ばれる武装集団が対立する地域を狙ったと言明した。

ナイジェリア中部では地元コミュニティと牧畜民が水資源を争い、何十年も対立している。軍は最近、牧畜民の武装集団を取り締まり、武器を押収したと発表したが、この北中部では100を超える武装集団が活動しており、暴力の連鎖が収まる気配はみられない。

ベヌエ州政府によると、武装集団は同日、軍の車列にも攻撃を仕掛けたという。死者は出なかったと伝えられているが、詳細は明らかにされていない。

武装集団は主にバイクで移動し、数百人単位で攻撃を仕掛けるため、小さな集落の警察では歯が立たないようだ。

政府は以前、地方都市の警備体制に不備があることを認め、必要に応じて軍を派遣すると約束したものの、武装集団の勢いに押されている。

ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は暴力の終結を約束し、2015年に就任したが、まもなく2期目の任期を終える。来年の大統領選でもイスラム過激派組織ボコ・ハラムやその他の武装集団の暴力・誘拐に焦点が当てられることになるだろう。

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