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リン鉱石の収益をサッカーに、存在感高まるモロッコ、強国の仲間入り

モロッコ代表は2022ワールドカップでアフリカ勢として初めてベスト4入りを果たし、世界に衝撃を与えた。
アフリカ北部・モロッコのリン鉱山(ロイター通信)

アフリカ北部・モロッコが近年、サッカー強国として急速に存在感を高めている。その躍進を陰で支えているのは、世界有数の埋蔵量を誇るリン鉱石資源である。国営肥料大手OCPグループが豊富な収益をサッカー振興へ投入し、育成施設や指導体制の整備を進めた結果、代表チームは世界大会で好成績を収めるまでに成長した。豊かな天然資源を競技力向上に結び付ける国家戦略が実を結びつつある。

モロッコは世界最大級のリン鉱石埋蔵国であり、リン酸肥料の生産・輸出で世界市場をリードしている。リンは農業に欠かせない資源で代替が難しく、中国の輸出規制やロシア情勢などで供給不安が続く中、モロッコの存在感は一段と高まっている。米国でも肥料不足を背景にモロッコ産リン酸塩への需要が拡大し、OCPは安定した収益基盤を確保してきた。

こうした資金力を背景に、OCPは2024年、王立サッカー連盟や民間企業と共同で「国立サッカー育成基金」を設立した。基金は全国の育成アカデミーや練習施設の整備、最新設備の導入、指導者の養成などを支援している。国際サッカー連盟(FIFA)との連携も進め、若手選手の育成環境を大幅に改善した。これらの取り組みは、2009年に国王モハメド6世(King Mohammed VI)が打ち出したスポーツインフラ整備方針をさらに発展させたものである。

成果は国際舞台にも表れている。モロッコ代表は2022ワールドカップでアフリカ勢として初めてベスト4入りを果たし、世界に衝撃を与えた。その後も2025年のアフリカ・ネーションズカップで優勝し、2026ワールドカップでも上位進出を狙う有力国と評価されている。欧州主要リーグで活躍する選手層も厚みを増し、育成システムの充実が競技力向上につながっている。

OCP幹部はサッカーへの投資は利益追求ではなく、国家発展への貢献が目的だと説明する。代表チームの活躍は国民に誇りと自信を与え、2022大会では国内全体が祝賀ムードに包まれた。現在もワールドカップでの躍進に国民の期待は高く、サッカーは社会を結び付ける象徴的な存在となっている。資源大国として得た富を人材育成へ還元するモロッコの取り組みは、スポーツ振興と国家ブランド向上を両立させる新たなモデルとして国際的な注目を集めている。

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