南アフリカ政府の不法移民取り締まり、5.3万人出国、排外的な空気収まらず
当局によると、送還または自主的に帰還した外国人は5万3449人に上り、このうち8割以上をマラウイ国籍者が占めた。
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南アフリカ政府は13日、不法移民対策の取り締まり強化により、過去約1か月間で5万3000人以上の外国人を送還または本国に帰還させたと発表した。取り締まりは国内で高まる反移民感情と並行して進められている。
当局によると、送還または自主的に帰還した外国人は5万3449人に上り、このうち8割以上をマラウイ国籍者が占めた。対象にはジンバブエやモザンビークのほか、ナイジェリア、ウガンダ、ケニア出身者も含まれる。政府は自発的な帰国を選択した人と、不法滞在を理由に強制送還された人の内訳は公表していない。
今回の措置の背景には、経済停滞や高い失業率への不満を移民に向ける世論の高まりがある。各地では反移民団体による抗議デモが相次ぎ、一部の過激派が外国人に身分証明書の提示を求める「市民による移民取り締まり」を行う事例も発生した。警察はこうした違法行為や暴力、脅迫などに関与したとして、350人を逮捕したと発表している。
一連の反移民デモでは外国人が襲撃される事件も発生し、モザンビーク人2人とマラウイ人1人が死亡、警察が捜査を進めている。また、ナイジェリア政府は自国民2人が反移民暴動で死亡したと主張しているが、南ア当局は暴動との直接的な関連は確認されていないとしている。
こうした情勢を受け、マラウイなど周辺国は航空機やバスを手配し、自国民の帰国支援を実施した。東部ダーバンでは数千人のマラウイ人が移民センターに集まり帰国を希望、北部国境に設置された施設からも2万人以上が自国に戻ったという。人権団体は合法的な在留資格を持つ外国人までが身の危険を感じて帰国を余儀なくされているとして、深刻な懸念を表明している。
ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は先月、国境警備の強化と移民法の厳格な執行を打ち出す一方で、移民が失業や犯罪の原因だとする根拠のない主張に警鐘を鳴らし、市民に対して自ら法を執行するような行為を慎むよう呼びかけた。しかし、排外的な空気は収まらず、外国人コミュニティへの嫌がらせも確認されている。
南アはアフリカ有数の経済規模を誇り、多くの移民を受け入れてきたが、今回の大規模送還は移民政策と社会統合のあり方を改めて問うものとなっている。
