マリ大規模攻撃、国防相死亡、過激派が北部の要衝を制圧
攻撃は25日に始まり、アルカイダ系武装勢力「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」とトゥアレグ系分離主義勢力が連携して実行した。
と兵士たち(AP通信).jpg)
アフリカ西部・マリで25日、イスラム過激派と分離主義勢力による大規模な同時攻撃が発生し、軍事政権のサディオ・カマラ(Sadio Camara)国防相が死亡した。攻撃は首都バマコおよび各地の軍事拠点や都市を標的とし、近年でも最大規模の武装攻撃の一つとみられている。
報道によると、攻撃は25日に始まり、アルカイダ系武装勢力「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」とトゥアレグ系分離主義勢力が連携して実行した。首都近郊の軍事基地や空港、さらに北部キダル、ガオなど複数の都市で同時多発的に戦闘が発生し、爆発や銃撃が各地で報告された。
カマラ氏は基地内にある自宅で攻撃を受け負傷し、その後死亡したとされる。攻撃には自爆要員や過激派戦闘員が関与し、激しい銃撃戦の末に被弾したという。軍政は当初公式発表を控えていたが、26日にカマラ氏が死亡したことを確認した。
今回の攻撃では北部の要衝キダルが過激派に制圧されたと伝えられ、軍にとって象徴的な打撃となった。キダルは長年、分離主義勢力との対立の中心地であり、2023年に軍が奪還したばかりだったが、再び支配を失った可能性が指摘されている。
また、攻撃はバマコにも及び、政権中枢への直接的な脅威を示した。軍政は治安悪化を受けて夜間外出禁止令を発令し、検問の強化など緊急措置を講じた。国連や各国は暴力の激化に深刻な懸念を表明し、国際的な対応の必要性を訴えている。
マリでは2012年以降、北部を中心にイスラム過激派や分離主義勢力による武装闘争が続いており、近年は両者が協調する動きも見られる。今回のように広範囲で同時に攻撃が行われたことは、反政府勢力の連携強化と作戦能力の向上を示していると分析されている。
同国は軍事クーデターを経てロシアとの関係を強化し、西側諸国との協力を縮小してきたが、治安状況はむしろ悪化しているとの指摘がある。ロシア系部隊の支援を受ける国軍も今回の攻撃を防ぎきれず、国家の統治能力への疑問が一層強まった。
国防相の死は軍政にとって打撃であり、今後の軍事戦略や政権の安定性に影響を与える可能性が高い。マリ国内では依然として各地で断続的な戦闘が続き、情勢は極めて流動的である。今回の事件はサヘル地域全体の不安定化を象徴する出来事で、国際社会が今後の動向を注視している。
