ルーマニア最大政党が極右野党と連携、内閣不信任案提出へ
今回の動きは中道右派・国民自由党(PNL)のボロジャン首相が率いる連立政権からPSDが離脱したことを受けたものだ。
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東欧ルーマニアで政局の混乱が深まっている。第1党である中道左派・社会民主党(PSD)が極右野党と連携し、親EU派の連立政権打倒に動いたことで、政治危機が現実味を帯びてきた。
今回の動きは中道右派・国民自由党(PNL)のボロジャン(Ilie Bolojan)首相が率いる連立政権からPSDが離脱したことを受けたものだ。これにより政権は議会過半数を失い、少数政権へと転落した。PSDはその後、極右政党「ルーマニア統一同盟(AUR)」などと協力し、内閣不信任案の可決を目指している。
議会は全464議席で構成されるが、PSDとAURを合わせても過半数にはわずかに届かず、他の小規模な右派勢力の取り込みが焦点となっている。採決は5月上旬にも行われる可能性があり、結果次第では現政権が崩壊する見通しだ。
対立の背景には財政政策をめぐる深刻な溝がある。ボロジャン氏は欧州連合(EU)からの復興資金を確保するため、財政赤字削減を目的とする緊縮策を進めてきた。しかしPSDはこれに強く反発し、政権離脱に踏み切った。
ルーマニアはEU内でも財政赤字が大きい国の一つであり、改革の遅れは数十億ユーロ規模のEU資金に影響する可能性がある。ボロジャン氏は辞任を拒否し、8月の期限までに必要な改革を完了させる必要があると訴えている。
もともとこの連立政権は、2024年の総選挙後に極右勢力の台頭を抑える目的で結成された。しかし内部対立が続き、発足から約10カ月で崩壊の危機に直面している。
さらに、PSDは首相の交代があれば再び親EU勢力と協力する可能性を示唆している一方、PNLはこれを拒否し、政治的な行き詰まりが続いている。
ルーマニアでは任期途中の解散総選挙が前例としてほとんどなく、仮に政権が崩壊しても新たな多数派形成には時間を要する見通しだ。このため、政治的不安定が長期化し、経済や対EU関係に悪影響を及ぼす懸念が強まっている。
