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チャド東部で水資源をめぐる衝突、42人死亡、スーダン国境の集落

発端は井戸の利用をめぐる二つの家族間の争いとされ、その後、地域全体に報復行為が広がり、死者42人、負傷者10人を出す事態となった。
チャドとスーダンの国境付近、難民キャンプ(Getty Images)

アフリカ中部・チャドの東部で水資源をめぐる衝突が激化し、少なくとも42人が死亡した。政府が27日、明らかにした。争いは小規模な対立から始り、報復の連鎖によって大規模な流血事件へと発展した。

デビ(Mahamat Idriss Deby)の報道官によると、衝突はスーダン国境に近い集落で発生した。発端は井戸の利用をめぐる二つの家族間の争いとされ、その後、地域全体に報復行為が広がり、死者42人、負傷者10人を出す事態となった。

現地メディアによると、軍が介入したことで衝突は収まった。さらに副首相が26日に現地を視察し、その後、集落で仲裁手続きが始まり、刑事責任を明らかにするための司法手続きも進められているという。

今回の衝突の背景には水資源の不足という構造的問題がある。現場周辺では隣国スーダンの内戦から逃れてきた数十万人規模の難民が流入し、もともと限られていた水や土地をめぐる競争が一層激化していた。こうした環境下で、小さな対立が容易に地域全体を巻き込む暴力に拡大する状況が生まれている。

チャドで水や土地などの資源をめぐる衝突は珍しくない。遊牧民と農民の対立など、生活基盤を直接左右する資源争いがたびたび発生し、昨年も同様の衝突で多数の死者が報告されている。

さらに、スーダン情勢の不安定化も影響を及ぼしている。チャド政府は今年、国境を一時閉鎖する措置を取るなど、隣国からの戦闘の波及を警戒してきた。今回の事件も難民流入による社会的圧力が一因とみられ、国内の治安維持にとって大きな課題となっている。

政府は今後、国境地帯の安定化に向けて「あらゆる必要な措置を講じる」としているが、水資源の不足や人口移動といった根本的な問題は解決されていない。気候変動や紛争の影響が重なる中、資源をめぐる緊張は今後も続く可能性が高く、地域の安定に長期的な影響を及ぼす懸念が強まっている。

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