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パキスタン軍がアフガン東部を攻撃、4人死亡、70人負傷

攻撃は27日、東部クナル州アサダバード周辺で確認された。
2026年4月27日/アフガニスタン、東部ナンガルハル州、パキスタン軍の攻撃を受けたとされる地区(AP通信)

パキスタンとアフガニスタンの国境地帯で再び緊張が高まり、砲撃とロケット弾による攻撃で多数の死傷者が出た。アフガンのタリバン暫定政権は27日、パキスタン軍による攻撃で少なくとも4人が死亡、約70人が負傷したと明らかにした。一方、パキスタン側はこれを否定し、双方の主張が鋭く対立している。

攻撃は27日、東部クナル州アサダバード周辺で確認された。タリバン当局によると、住宅地や教育施設が標的となり、特に大学の被害が深刻とのこと。負傷者の中には学生や女性、子どもが含まれており、少なくとも30人が民間人だったとされる。

タリバンの報道官は声明で、「民間人や教育機関を標的とした許しがたい戦争犯罪だ」とパキスタン軍を強く非難した。今回の攻撃は地域の不安定さを浮き彫りにしている。

これに対しパキスタン政府は、攻撃そのものや被害の内容について、「虚偽でありプロパガンダだ」と全面的に否定した。パキスタン側は、自国が行う軍事行動はあくまでアフガン領内に拠点を置く武装勢力に対する精密な攻撃であり、民間人や施設を標的とすることはないと主張している。

両国の関係は2026年に入ってから急速に悪化した。パキスタンは国内で活動する過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)がアフガン領内に拠点を持っていると非難し、越境攻撃を繰り返してきた。一方、タリバン暫定政権はこれを否定し、パキスタン国内の治安問題を外部に転嫁していると反論している。

今年2月以降、両国は空爆や砲撃を含む軍事衝突を断続的に繰り返してきた。国連によると、これまでの戦闘で数百人が死亡し、国境周辺では住民の避難も相次いでいる。

こうした中、中国の仲介による和平協議も行われてきたが、停戦は長続きせず、散発的な衝突が続いている。今回の攻撃もこうした脆弱な停戦をさらに揺るがす結果となった。

現地では軍事衝突が日常生活に深刻な影響を及ぼしている。教育機関への攻撃は若年層の安全と将来に直接的な影響を与えるもので、国際社会からも懸念の声が上がっている。また、医療やインフラの脆弱な地域では、負傷者の増加が人道危機を一層深刻化させる恐れがある。

今回の事態は国家間の対立がテロ対策や安全保障を超え、民間人の生活を脅かす段階に入っていることを示している。双方が強硬姿勢を崩さない中、衝突の長期化は避けられないとの見方もある。国境地帯の安定化には軍事行動の抑制と信頼醸成築が不可欠だが、その見通しは不透明である。

パキスタンとタリバンの対立は地域全体の安全保障にも影響を及ぼす可能性がある。核保有国であるパキスタンと、国際的承認を得ていないタリバン暫定政権との緊張は、南アジアの不安定要因として今後も国際社会の注目を集めることになるだろう。今回の攻撃はその危険性と脆弱性を改めて示す出来事となった。

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