スリランカの僧侶22人が大麻密輸で逮捕、110キロ押収、タイから帰国
スリランカでは近年、空路や海路を利用した麻薬密輸の摘発が相次いでいる。
.jpg)
インド洋の島国スリランカで仏教僧らが関与したとみられる大規模な麻薬密輸事件が発覚し、社会に大きな衝撃を与えている。首都コロンボ近郊の国際空港で帰国した僧侶22人の荷物から計110キログラムの大麻が見つかり、当局は全員を逮捕した。
事件が起きたのは4月26日、同国の主要玄関口であるバンダラナイケ国際空港である。税関当局によると、僧侶たちはタイの首都バンコクから帰国、検査員が荷物を調べたところ、スーツケースの内部に巧妙に隠された大麻が発見された。押収されたのは「クッシュ」と呼ばれる高濃度の大麻で、各人が約5キログラムずつ運搬していたという。
この一団は国内各地の寺院に所属する若い修行僧が中心で、4日間の旅行から戻ったところだった。警察によると、別の僧侶が渡航を手配し、「荷物は寄付品だ」と説明して大麻運搬を指示していた可能性がある。この指示役とみられる人物も後に逮捕され、組織的な関与の有無について捜査が進められている。
一方で、当局は空港で逮捕した僧侶たちが荷物の中身を認識していなかった可能性もあるとみている。大麻は文房具や菓子類とともに隠されており、若い修行僧が犯罪組織に利用された疑いも浮上している。押収量は同空港で確認されたクッシュとしては過去最大規模とされ、密輸ルートの広がりを示す事例として注目されている。
事件を受け、スリランカの仏教界は深刻な懸念を表明した。国内の主要仏教宗派の指導者らは共同声明を出し、僧侶の衣を利用した犯罪行為は宗教の信頼を損なうものだと非難した。関与が確認された者については僧籍の剥奪を含む厳正な対応を取るべきだとの声も上がっている。
スリランカでは近年、空路や海路を利用した麻薬密輸の摘発が相次いでいる。特にバンコク経由のルートは過去にも大規模な押収例があり、当局は監視を強化していた。今回の事件は宗教関係者という社会的に信頼の厚い立場が悪用された点で異例性が高く、国内外に波紋を広げている。
逮捕された僧侶たちは裁判所に出廷し、さらなる取り調べのため拘束が続けられている。警察は背後にある密輸ネットワークの解明を急ぐとともに、宗教団体への浸透の実態についても調査を進める方針だ。今回の事件は麻薬犯罪の手口が一層巧妙化している現状とともに、社会的信頼を利用した犯罪の深刻さを浮き彫りにした。
