◎コートジボワールは国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSMA)に部隊を派遣している。
2021年5月30日/マリ、首都バマコ、暫定大統領に就任したアシミ・ゴイタ大佐(Getty Images/AFP通信)

マリの軍事政権は3日、今年7月に拘束したコートジボワール兵49人のうち3人を釈放したと発表した。

報道によると、3人は女性兵で、コートジボワールに帰国したという。

両国の仲介に入ったトーゴの外相は声明で、「ゴイタ(Assimi Goita)大佐が釈放を認めた」と説明する一方、46人が依然拘束中であることに懸念を表明した。

コートジボワールは国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSMA)に部隊を派遣している。政府は7月、マリに小隊を派遣した。

しかし、マリ軍はこの49人を外国の傭兵とみなし、安全保障に脅威を与えたという理由で拘束、起訴した。マリの裁判所は、「マリの防衛・治安維持任務はマリ軍が担う」と述べている。

マリ検察は3日の声明で拘束中の46人について、「捜査を続けている」とだけ説明した。

トーゴ外相は解放に向けた協議を進めていると示唆したが、詳細は不明だ。

両軍の緊張は、マリが西側から東側に傾いていることを示している。

ゴイタ大佐は2020年の軍事クーデターで政権奪取し、一度民主指導者に権力を返上するも、昨年5月に再びクーデターを起こし、暫定大統領に就任した。

マリ軍は今年6月、マリ国内におけるMINUSMAの調査ミッションを許可しないと発表した。国連はマリ軍とロシアの民間軍事会社「ワグネル」が民間人300人以上を処刑したと非難している。

マリと旧宗主国フランスの関係はマリ軍がワグネルと契約を結んだことで劇的に悪化し、仏軍は先月、マリから部隊を完全撤退させた。

マリを含むサハラ砂漠以南の西アフリカ諸国はイスラム過激派組織の暴力に直面している。マリ、ニジェール、ブルキナファソで今年過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。

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