◎ECOWASは「ニジエール軍政が要求に応じなければ軍事介入の可能性も排除しない」と警告している。
2020年8月22日/マリ共和国、首都バマコの防衛省施設、アシミ・ゴイタ大佐(Getty Images/AFP通信)

西アフリカ・マリ共和国の軍事政権が隣国ニジェールで数日前に発足した軍政を支持すると表明した。マリ軍政の報道官が7月31日、国営テレビで発表した。

報道官は演説で、「我々は隣国ブルキナファソと共にニジェールを守ると誓い、ニジェールへのいかなる軍事介入も認めず、外国軍によるニジェールへの攻撃は我々への宣戦布告とみなす」と述べ、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)をけん制した。

ニジェールの大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

ECOWASは今週、ニジェール軍政にバズム氏の即時解放を要求。「1週間以内に同国を正常な状態に戻さなければ、軍事介入の可能性も排除しない」と警告した。

マリ軍政は公式ウェブサイトにも声明を投稿。「ニジェールに対するいかなる軍事介入も、マリとブルキナへの宣戦布告とみなす」としている。

またマリ軍政はECOWASによるマリ・ブルキナ両軍政への制裁を厳しく非難した。

マリ軍政の公式ウェブサイトには次のように書かれている。

1.マリおよびブルキナの国民はニジェールの兄弟への友愛的連帯を表明する。

2.住民の苦しみを悪化させ、汎アフリカ主義の精神を危うくするような制裁を地域組織が適用していることを糾弾する。

3.当局(ECOWASなどの地域組織)による違法、非合法、非人道的な制裁を拒否する。

マリ軍政はゴイタ(Assimi Goita)大佐、ブルキナ軍政はトラオレ(Ibrahim Traore)大尉が率いている。

西アフリカと中央アフリカでは2020年以降、計9回クーデター(未遂含む)が発生している。

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