◎マリの軍事政権は北部サヘル地域で蔓延する暴力に対処できず、その影響は首都バマコや近隣諸国に広がっている。
マリ北部サヘル地帯、イスラム過激派組織の戦闘員(Getty Images)

マリの軍事政権は5日、旧独立運動の指導者たちとの合意に基づき、北部サヘル地域の反乱軍兵士2万6000人を軍に編入すると発表した。

旧マリ政府は2015年に北部の分離主義勢力と和平協定を締結したが、ほとんど履行されず、今も広い範囲で戦闘が続いている。

首都バマコで5日に行われた会合にはマイガ(Choguel Kokalla Maiga)首相や国連のマリ代表などが出席した。

マイガ氏は声明の中で、「政府は協定を履行するための努力を惜しまない」と述べた。

AP通信によると、元反乱軍兵士の編入は2段階に分けて行われ、2段階目は2024年中に完了する予定。

軍は専門家委員会を創設し、反乱軍の上級将校の扱いなどを整理するとみられる。

会合に参加した軍事政権の顧問はAP通信の取材に対し、「協定は停滞しているが、成し遂げられないことはない」と語った。「この決定は北部で苦しんでいる住民を助けるでしょう...」

フランス主導のアフリカ連合軍は2012年からサヘル地域で活動するアルカイダやイスラム国(ISIS)系ジハード組織と戦っている。

一方、マリとフランスの関係は、マリ軍がロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵を雇ったことなどを受け、急速に悪化した。

マリ軍は北部で蔓延する暴力に対処できず、その影響は首都バマコや近隣諸国に広がっている。サヘル紛争の死者数は数千人と推定され、数百万人が避難民になった。

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