◎リビアから欧州に向かう移民の多くは中央アフリカの紛争地や貧しい国々から逃れた人々である。
2016年5月18日/リビア沖、移民を乗せた船(Valeria Mongelli/AP通信)

国際移住機関(IOM)は16日、リビア沖で亡命希望者を乗せたボートが転覆し、少なくとも35人が死亡したと推定されると発表した。

IOMによると、ボートは15日にリビア西部の都市サブラタ沖で転覆したという。サブラタの港は欧州を目指すアフリカ人の出発地のひとつである。

IOMは「6人の遺体を回収したが、29人の行方は分からず、死亡したと推定される」とツイートした。「地中海における移民希望者の死を常態化させてはなりません...」

またIOMは国際社会に、「死と苦しみを防ぐために、専用の捜索・救助体制を確立する必要がある」と呼びかけた。

リビアから欧州に向かう移民の多くは中央アフリカの紛争地や貧しい国々から逃れた人々である。

IOMの調査によると、リビア沖で死亡した亡命希望者はこの1週間だけで少なくとも53人と推定されている。

国境なき医師団は今月初め、90人以上を乗せたゴムボートがリビアを出航してから数日後に地中海で転覆し、全員が溺死したと報告した。

人身売買組織は近年、混乱状態にあるリビアや周辺諸国の貧しい人々からお金を巻き上げ、欧州への密入国を斡旋している。

国連や権利団体は何年も前から、リビアで亡命希望者に対する拷問、性的虐待、人身売買が蔓延していると繰り返し警告してきた。

人身売買組織は亡命希望者を集め、リビア北部に移送したのち頼りないゴムボートを与え、危険な旅に送り出している。

国連の調査官は、人身売買組織がリビアの刑務所に収容された亡命希望者を虐待した「人道に対する罪」の証拠を発見、告発している。

IOMによると、1月1日~4月11日の間に地中海で死亡した亡命希望者は少なくとも476人と推定されている。

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