◎レソトは南アフリカのドラケンスバーグ山脈に囲まれた人口約210万人の内陸国である。
レソト王国、政党「繁栄のための革命」のマテカネ党首(右)(Getty Images)

レソト王国の首都マセルで28日、首相就任式が開かれ、実業家から政治家に転身したマテカネ(Sam Matekane)党首が宣誓した。

マテカネ氏率いる新興政党「繁栄のための革命(Revolution for Prosperity、RP)」は今月7日の議会選で120議席中56議席を獲得。他の2政党と連立を組み、新内閣を発足させることが決まった。

レソトは南アフリカのドラケンスバーグ山脈に囲まれた人口約210万人の内陸国である。

式典には南アフリカのラマポーザ大統領などが出席した。

ラマポーザ氏は記者団に対し、「レソトは多くの課題に直面している南アフリカの避難所になっている」と語った。

レソトの治安は南アフリカに比べるとはるかに良いが、高い失業率や貧困などから、一部のスラム街では暴力が蔓延している。

マテカネ氏は就任演説で、「この国は多くの課題を抱えており、時間を浪費する余裕は全くない」と語った。

マテカネ氏は選挙期間中、衣料品の市場を拡大し、アフリカ成長機会法(AGOA)に基づいて米国に輸出する製品を多様化させると約束した。

繊維製品製造業は同国最大の産業であり、公式統計によると、2020年初めの時点で4万5000人以上がこの部門で働いていたという。しかし、コロナの拡大で世界経済が低迷し、この部門の約25%が職を失ったと推定されている。

世界銀行によると、レソトの人口の約36%が国際貧困ライン以下での生活を余儀なくされ、GDPはこの10年、停滞している。

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