◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2024年3月3日/ハイチ、首都ポルトープランス、襲撃を受けた刑務所近く(Getty Images)

国連ハイチミッションを主導するケニアの先発隊が物流上の問題を受け、ハイチを離れることになった。ケニア政府が25日、明らかにした。

数週間前にハイチに派遣されたケニア国家警察の先発隊は国連ミッションに先立ち、首都ポルトープランスの状況を確認・評価する予定だった。

ケニア政府によると、この部隊は27日に帰国する予定だという。

AP通信は政府高官の話しとして、「PKO基地はまだ建設中であり、最初の部隊約200人を派遣する前に装甲車などの重要な装備を揃える必要がある」と報じた。

装備の輸送は今週始まる予定だったが、物流の問題と工事の遅延により、3週間延期されることになった。

先発隊に参加した警察の関係者によると、PKO基地は70%ほど完成し、装備や武器を保管する倉庫の建設が進められているという。

一方、ケニア政府高官は21日にポルトープランスを訪問し、暫定評議会の委員らと会談した。

バイデン(Joe Biden)米大統領は23日、ホワイトハウスでケニアのルト(William Ruto)大統領と会談。国連ハイチミッションを率いるルト氏に謝意を表明した。

米国はこのミッションに3億ドルを拠出するとしている。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。

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