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米国26年4月個人消費支出(PCE)価格指数3.8%、3年ぶりの高水準に

市場関係者の間では、「高インフレと低成長」が同時進行するスタグフレーションへの警戒感も強まっている。
2026年5月26日/米カリフォルニア州ロサンゼルスのスーパーマーケット(Getty Images/AFP通信)

米国のインフレ率が再び上昇し、連邦準備制度理事会(FRB)が重視する物価指標が約3年ぶりの高水準に達した。商務省が28日に発表した4月の個人消費支出(PCE)価格指数によると、前年同月比の上昇率は3.8%となり、2023年5月以来の高い伸びを記録した。2月時点では2.8%だったことから、わずか2か月で大幅に加速した形だ。

背景には、中東情勢の悪化によるエネルギー価格の急騰がある。イラン戦争の影響で世界の原油供給網に混乱が生じ、ガソリン価格が大幅に上昇した。全米自動車協会(AAA)によると、全米平均のガソリン価格は1ガロン=4.42ドル(1ドル=159円で1リットルあたり約186円)となり、戦争前と比べて約48%上昇した。ホルムズ海峡封鎖による供給不安が市場を刺激し、エネルギー価格全体を押し上げている。

インフレの長期化は家計にも重い負担を与えている。個人所得の伸びが鈍化する一方で、物価高が続いており、購買力が低下している。貯蓄率は2.6%と2022年以来の低水準に落ち込み、多くの消費者が生活費の増加に対応するため、貯蓄を取り崩している実態が浮かび上がった。食品や電気料金、衣料品など幅広い分野で値上がりが続き、家計の圧迫感が一段と強まっている。

こうした状況はFRBの金融政策にも影響を与えそうだ。市場では来月の会合で政策金利が据え置かれるとの見方が依然として優勢だが、年内の追加利上げ観測も高まりつつある。FRBはこれまでインフレ抑制を最優先課題としてきたが、物価上昇率は目標の2%を大きく上回ったままで、利下げ開始時期はさらに後ずれする可能性がある。

一方で、急激な金融引き締めは景気減速を招く恐れもある。2026年第1四半期(1~3月)のGDP成長率は1.6%にとどまり、経済成長の勢いには陰りも見え始めている。市場関係者の間では、「高インフレと低成長」が同時進行するスタグフレーションへの警戒感も強まっている。中東情勢の先行きが不透明な中、米経済は難しい局面を迎えている。

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