ケニア燃料高騰デモ、事業者団体が全国スト中止、大統領が引き下げ約束
今回の抗議行動は中央政府が今月、燃料価格を大幅に引き上げたことをきっかけに始まった。
-1.jpg)
ケニアで燃料価格の高騰に抗議する公共交通機関の事業者団体が予定していた全国ストライキを中止した。背景には、ルト(William Ruto)大統領が軽油価格の引き下げを約束したことがある。デモは首都ナイロビを中心に市民生活へ深刻な影響を与えており、政府は事態の沈静化を急いでいた。
今回の抗議行動は中央政府が今月、燃料価格を大幅に引き上げたことをきっかけに始まった。軽油価格は前月比で23.5%上昇、ガソリン価格も8%値上がりした。政府は中東情勢の悪化、とりわけイラン情勢による原油供給への影響を理由に挙げているが、国民の不満は急速に高まった。公共交通機関の運営事業者は燃料費の上昇によって経営が圧迫されているとして、大幅な値下げを要求していた。
デモは5月18日に始まり、ナイロビや港湾都市モンバサなど各地で交通網が麻痺した。多くの路線バスや乗り合いミニバスが運行を停止し、通勤客が足止めされた。道路では抗議者がタイヤを燃やして封鎖し、一部では車両が放火されるなど混乱が拡大した。警察との衝突も発生し、少なくとも4人が死亡、30人以上が負傷した。さらに348人が違法デモへの参加容疑で逮捕された。
政府と事業者側の協議は当初決裂した。事業者側は軽油価格を1リットルあたり46ケニアシリング引き下げるよう求めたのに対し、政府は10シリングの値下げ案しか示さなかったためだ。その後、公共交通機関ストは1週間停止され、追加協議が続けられていた。
外遊から帰国したルト氏は22日、事業者団体との会談後、6月の価格改定で軽油価格を引き下げると表明した。一方で、燃料税の追加減税については否定した。すでに付加価値税(VAT)を16%から8%へ引き下げたことで財政収入が大きく減少し、これ以上の減税は公共サービスに悪影響を及ぼすと説明した。
ケニアでは近年、生活費高騰への不満が強まっている。燃料価格の上昇は交通費だけでなく、食料品や日用品の価格にも波及しており、市民生活を直撃している。野党は価格高騰の原因について、国際情勢だけではなく、汚職や過剰な利益追求にもあると政府を批判している。2027年の大統領選で再選を目指すルト氏にとって、今回の燃料問題は国民の不満を映し出す大きな試練となっている。
