◎アグネス・ジェベト・ティロップ選手は世界選手権の銅メダリストで、東京2020五輪の陸上女子5000mにも出場(4位)した。
2019年5月30日/スウェーデン、ストックホルムで開催されたIAAFダイヤモンドリーグの陸上女子1500m、ケニアのアグネスジェベト・ティロップ選手(Fredrik Sandberg/TT News Agency/AP通信)

ケニアの現地メディアによると、陸上競技の世界記録保持者であるアグネス・ジェベト・ティロップ選手(25歳)が自宅で刺殺されたという。

警察は13日の声明で、ティロップ氏の首と腹部には複数の刺し傷があり、夫の行方を追っていると述べた。

西部の町イテンのトム・マコリ警察署長は記者団に対し、「ティロップ氏の夫は泣きながら家族に神の許しを求める電話をかけた」と述べ、行方を追っていると明らかにした。「事件は家族の通報を受け発覚しました...」

現地メディアによると、西部の町イテンは長距離ランナーのトレーニング拠点として有名で、ティロップ氏もトレーニングを行っていたという。

ティロップ氏は世界選手権の銅メダリストで、東京2020五輪の陸上女子5000mにも出場(4位)した。また、先月ドイツで行われたロードレース女子10kmで世界記録を樹立し、さらなる活躍が期待されていた。

ケニアの国家警察は13日、「ティロップ氏は凶悪犯罪の犠牲者であり、当局は迅速かつ包括的な調査を約束する」と述べた。AP通信によると、自宅近くに駐車していたティロップの車のフロントガラスは何者かに破壊されていたという。

ケニアの陸上競技連盟は声明で、「私たちは宝石を失った」と述べた。

ティロップ氏は2015年の世界クロスカントリー選手権で金メダルを獲得し、大会史上2番目に若い(19歳)チャンピオンになった。

ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は13日の声明で、「容疑者を追跡し速やかに逮捕するよう警察に命じた」と述べ、有望なアスリートの喪失に打ちのめされていると心境を語った。

国際陸上競技連盟ワールドアスレティックスは、ティロップ氏のニュースにショックを受けていると声明を発表した。

国際オリンピック委員会(IOC)の委員を務めるワールドアスレティックスのセバスチャン・コー会長は、ティロップ氏を過去6年間で世界最高の女性長距離ランナーの1人と呼び、哀悼の意を表した。

IOCのトーマス・バッハ会長はティロップ氏を「才能の塊」と呼び、「多くの人々に希望とインスピレーションを与えた」と称え、その死を悼んだ。

ティロップ氏のスポンサーのひとつであるアディダスは、「ティロップ選手の記憶は永遠に語り継がれる」と述べた。

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