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コートジボワールでカカオ農家の抗議デモ続く、関係団体が職員派遣へ

問題の背景には、農家が出荷したカカオ豆の代金支払いが長期間滞っていることがある。
コートジボワールのカカオ農家(ロイター通信)

世界最大のカカオ生産国である西アフリカのコートジボワールで、代金未払い問題に抗議するカカオ農家らの不満が高まっている。政府系機関であるコーヒー・カカオ評議会(CCC)は抗議デモの沈静化を図るため、中東部ムバトに担当職員を派遣する方針を固めた。ロイター通信が12日に関係筋の話しとして報じた。

問題の背景には、農家が出荷したカカオ豆の代金支払いが長期間滞っていることがある。コートジボワールでは昨年11月から12月にかけて、国際価格が政府の保証価格を下回った影響で、大量の在庫が売れ残った。政府は余剰在庫を買い取る救済策を打ち出したものの、多くの農家や協同組合は「昨年10月から今年3月に収穫した代金がいまだ支払われていない」と訴えている。

こうした状況を受け、一部地域では農民らが道路を封鎖する抗議デモを開始した。ロイターによると、治安部隊は催涙ガスを使用してデモ隊を排除し、緊張が高まっている。特にムバト周辺では売れ残ったカカオ豆が倉庫内で腐敗し始めているとの声も出ており、農家側の焦りは強い。

西部の主要生産地でも影響が広がっている。本来であれば1キロ当たり2800CFAフラン程度で販売できる高品質のカカオ豆を、資金繰り悪化のため1300CFAフラン前後の安値で売却せざるを得ないケースも報告されている。農家の間では「肥料や農薬を購入できず、次回収穫への準備が進められない」との不安が広がる。

コートジボワールは世界のカカオ供給のおよそ4割を占め、同国の生産動向はチョコレート市場全体に大きな影響を及ぼす。業界関係者の間では、今回の支払い遅延問題が長期化すれば、生産意欲の低下によって来季の供給減少を招き、国際価格を押し上げる可能性も指摘されている。

一方、CCCや中央政府は現時点で公式コメントを出していない。政府はこれまでにも農家団体との対話を通じて事態沈静化を図ってきたが、現場では不信感が根強い。今回派遣される職員団が未払い解消に向けた具体策を示せるかが焦点となる。カカオ産業は同国経済の基幹産業だけに、政府にとっても早期の収束が急務となっている。

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