◎昨年11月に押収したコカイン980kgのうち975kgがどこかに消えた。
2021年11月/ギニアビサウ、首都ビサウの警察署、押収されたコカイン(Getty Images/AFP通信)

2月26日、ギニアビサウの警察当局によると、警察が昨年11月に押収したコカイン約980kgの大半が消失したという。

コカインの密輸で逮捕された容疑者9人のうち7人は24日に首都ビサウの裁判所に出廷したと伝えられている。

司法警察のモンテイロ長官は26日の記者会見で、11月に押収したコカイン980kgのうち975kgがどこかに消えたと語った。「当局の捜査員は密売組織の摘発に成功しましたが、押収したコカインの大半が消えてしまったのです。私たちは国防軍の兵士がコカインを持ち逃げしたと考えています...」

地元メディアによると、コカインを持ち逃げしたとされる警察官1人が逮捕されたという。当局は複数の公務員が持ち逃げに関与した可能性が高いと述べているが、詳細は明らかにされていない。

一方、24日に出廷する予定だった9人のうち2人の行方は分かっておらず、モンテイロ長官も質問を受け付けなかった。

アフリカ大陸の最西端に位置するギニアビサウは世界で最も貧しい国のひとつであり、貧困・麻薬密売・汚職が蔓延し、一部の密売人は軍の管理下に置かれている。

2019年9月には同国北部でコカイン約2トンが押収され、コロンビア人3人、メキシコ人1人、マリ人1人、ギニアビサウ人7人の計12人が逮捕された。

ギニアビサウは1974年にポルトガルから独立して以来、何度か軍事クーデターを経験している。

今月初めには武装勢力が大統領宮殿を襲撃し、少なくとも11人が死亡した。当時宮殿では閣議が開かれていたが、大統領と閣僚は数時間続いた銃撃戦の末、無事脱出したと伝えられている。

2021年11月11日/フランス、パリで開催された平和フォーラム、ギニアビサウのウマロ・シソコ・エムバロ大統領(Michel Euler/AP通信)
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