◎ティグライ州では和平協定に基づき、基本的なサービスや人道援助の提供が再開されつつある。
エチオピア、首都アディスアベバの機動隊(Getty-Images)

エチオピアの警察当局は29日、北部ティグライ州の州都メケレに入り、業務を再開すると発表した。

連邦警察がティグライ州に入ったのは約1年ぶり。

連邦警察の報道官はフェイスブックに声明を投稿。「先月の和平協定に基づき、メケレの施設に入った」と明らかにした。

エチオピア軍とティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)による紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~数十万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。

政府とTPLFは先月2日に停戦協定を結び、恒久平和に向けた交渉を続けている。

連邦警察は公式ホームページにも声明を投稿し、「メケレの警察官は国家と国民の財産を守るために働く」とし、空港、電力・通信設備、銀行などの警備も再開すると述べた。

国営テレビは数百人の警察官が車列を組んでメケレに入る様子を報じた。

ティグライ州では和平協定に基づき、基本的なサービスや人道援助の提供が再開されつつある。

国営電力会社は29日、ティグライ州の4つの街につながっていた送電線の復旧作業が完了し、1年半ぶりに電力供給を再開したと発表した。

アフリカ大陸最大の航空会社であるエチオピア航空も前日、メケレへの定期便を再開した。同社はインターネット通信の回復が進めば、便を増やすとしている。

さらに、アフリカ連合(AU)とエチオピア政府の代表団が29日にメケレに入り、和平交渉の進捗具合を監視する合同チームを発足させた。

チームのメンバーは32カ国の大使などで構成される。

2022年11月12日/ケニア、首都ナイロビ、合意書を交換するエチオピア政府とTPLFの交渉官(Brian Inganga/AP通信)
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