◎エジプトはウクライナ侵攻の影響を最も強く受けている国のひとつである。
エジプト、首都カイロの市場(Getty Images)

エジプト政府は26日、物価高に苦しむ低中所得者層を支援する取り組みの一環として、最低月給を300エジプト・ポンド(約2200円)引き上げると発表した。

首相府の報道官は記者会見で、「最低月給を現在の2700Eポンドから3000Eポンドに引き上げる」と説明した。

地元メディアによると、シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領が就任した2014年以来、最低月給が引き上げられるのは今回で4度目となる。

首相府報道官は公務員の給与とボーナスも300Eポンド引き上げ、来年6月まで電気料金を値上げしないことも合わせて発表した。

また報道官は、ロシアのウクライナ侵攻に端を発する経済危機の影響を受けた一部企業に財政支援を行うと表明したが、詳細は明らかにしなかった。

地元メディアは政府筋の話を引用し、「いくつかの変更は閣議決定後、即導入されるが、一部は国会の承認が必要」と報じている。

シシ大統領は野心的な経済改革を進めているものの、人口の大多数を占める低中所得者層は厳しい生活を余儀なくされている。

エジプトはウクライナ侵攻の影響を最も強く受けている国のひとつである。エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから輸入していた。

エジプト政府は改革プログラムを進めるために国際通貨基金(IMF)と数カ月にわたって交渉している。また、湾岸諸国の富裕層と数十億ドル規模の投資契約を結び、その一部は民間企業向けと報告されている。

エジプトの人口は約1億400万人。9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で15%増となった。政府の統計によると、人口の約3分の1が貧困状態にあるという。

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