◎ニジェールの大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム大統領とその家族を拘束。その後、チアニ将軍が国家元首に就任した。
2023年8月4日/ナイジェリア、首都アブジャ、ECOWAS加盟国の国防相ら(AP通信)

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の国防相は4日、ニジェールのクーデターを阻止するための軍事介入について協議した。

ECOWASは今週、ニジェール軍政に最後通告を突きつけ、1週間以内に憲法秩序を回復するよう要求。応じなければ軍事介入も辞さないと警告した。

ECOWASはいつ、どのように軍事介入するかは明らかにしていない。AP通信は協議に参加した委員の話しとして、「介入するか否かは加盟国の首脳が決める」と伝えている。

ECOWASの議長国を務めるナイジェリアのティヌブ(Bola Tinubu)大統領は声明で、「必要な資源や、いつ、どのように部隊を展開するかなど、介入に必要なすべての要素を確認した」と述べている。

ECOWASはすでにニジェールに制裁を科しており、クーデターを主導したチアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が6日までにバズム(Mohamed Bazoum)大統領を解放し、国を元の状態に戻さなければ武力行使を許可する可能性があるとしている。

ECOWASは3日、代表団をニジェールに派遣したものの、情報筋によると、軍政関係者との協議で有効な打開策は得られなかったという。

ECOWASは3日の声明で、「我々は外交で問題が解決することを望んでおり、クーデターを覆すためにあらゆる可能性を模索し、反乱軍にチャンスを与えたい」と表明した。

一方、ティヌブ氏は4日、議会上院で読み上げられた書簡の中で、「陸軍の派遣を含む、この問題を解決するために必要な準備を進めるよう関係閣僚に命じた」と明らかにした。

セネガルも必要であれば軍隊を派遣するとしている。

ニジェール軍政は4日、ECOWASの干渉を改めて非難し、「介入すれば反撃する」と警告した。

チアニ氏は2003年のコートジボワール紛争でECOWAS軍の大隊長を務めており、軍事介入がどのような結末になるか、身をもって知っている。

ECOWAS加盟国であり、現在加盟停止処分を受けているマリとブルキナファソは今週、チアニ氏を支持すると表明。「ニジェールへの軍事介入は両国への宣戦布告とみなす」とECOWASをけん制した。

ニジェールの首都ニアメには仏軍と米軍が駐留している。米軍は北部のサヘル地域にある軍事基地にも部隊を展開し、イスラム過激派との戦いを支援している。

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