コンゴ・エボラ集団感染、医療現場で危機感強まる「何もかも足りない」
流行の中心地は北東部イトゥリ州の州都ブニア周辺で、これまでに少なくとも51人の感染者が確認され、130人以上の死亡が報告されている。
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コンゴ民主共和国東部でエボラウイルス「ブンディブギョ株」の感染拡大が急速に進み、医療現場で危機感が強まっている。世界保健機関(WHO)は今回の流行について、国際的に懸念される「公衆衛生上の緊急事態」を宣言したが、現地では防護装備や医薬品の不足、武装勢力による治安悪化などが重なり、封じ込めは難航している。
流行の中心地は北東部イトゥリ州の州都ブニア周辺で、これまでに少なくとも51人の感染者が確認され、130人以上の死亡が報告されている。感染が疑われる症例は600件に上り、実際の感染者数は1000人を超える可能性も指摘されている。WHOによると、流行は数週間にわたり見逃されていたとみられ、その間に感染が広範囲へ拡散した可能性が高い。
今回流行しているブンディブギョ株はエボラの中でも極めて珍しい型で、確認例は過去に数回しかない。一般的な「ザイール株」向けのワクチンや治療薬は存在するが、この型に有効と認められたワクチンや特効薬は現時点で承認されていない。WHOは候補ワクチンの開発を進めているものの、実用化には少なくとも6~9カ月を要すると説明している。
現地の医療従事者からは、「手袋やマスクが不足している」「感染者追跡のためのバイクも足りない」といった切実な声が上がる。病院では患者が急増し、隔離施設やベッドが不足しているうえ、十分な訓練を受けていない医療スタッフも多いという。さらに、イトゥリ州では武装勢力の活動が続いており、住民避難や人の移動が感染拡大を助長している。
感染は隣国ウガンダにも広がり、各国が警戒を強めている。米国は2300万ドル規模の支援を表明したが、近年の国際援助削減の影響で、現場の資金不足は深刻だ。欧州では感染した米国人医師がドイツへ搬送されるなど、国際社会も対応に追われている。
WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は19日、「流行の規模と速度を深く懸念している」と述べ、都市部への感染拡大や医療従事者の感染が最大の脅威になるとの認識を示した。コンゴはこれまで何度もエボラ流行を経験してきたが、今回のようにワクチンも治療法も確立していない希少株への対応は極めて難しく、封じ込めには国際的な支援強化が不可欠となっている。
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