コロンビア南部で先住民族の土地紛争激化、7人死亡、110人負傷、軍が部隊展開中
衝突が起きたのは、同じ土地の所有権を主張するミサク族とナサ族の間である。
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コロンビア南西部カウカ県シルビアで先住民同士の土地紛争が激化し、少なくとも7人が死亡、110人以上が負傷したことを受け、コロンビア政府は22日までに500人超の兵士を現地へ派遣した。政府は事態の沈静化を急ぐとともに、衝突の拡大防止に乗り出している。
衝突が起きたのは、同じ土地の所有権を主張するミサク族とナサ族の間である。両者はカウカ県の農村地域をめぐって対立を続けており、4月以降、境界線をめぐる緊張が高まっていた。今回の衝突では銃撃も発生し、負傷者の多くが銃創を負ったという。サンチェス(Pedro Sánchez)国防相は声明で、「死傷者数はさらに増える可能性がある」と警告した。
軍はヘリコプターなどの航空支援も投入し、住民保護と治安回復を目的に現地展開を進めている。中央政府は武力衝突が地域全体の不安定化につながることを懸念している。特にカウカ県は旧コロンビア革命軍(FARC)の反体制派ゲリラなど非合法勢力の活動地域として知られ、麻薬取引や違法採掘とも結び付いた複雑な治安問題を抱えている。
土地問題の調停にあたっている国営土地庁(ANT)は22日、両先住民コミュニティーとの協議を継続していると説明した。ANTは境界線の法的整理や歴史的経緯の確認を進めながら、双方に対して交渉の席にとどまるよう呼び掛けている。先住民の土地権利はコロンビア国内で長年にわたり政治・社会問題となっており、農地不足や左翼ゲリラ、武装勢力の介入が対立をさらに複雑化させている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のコロンビア事務所も声明を発表し、地域社会に冷静な対応を求めるとともに、事件の責任者を捜査・追及するよう当局に求めた。コロンビアでは2016年に政府とFARCの和平合意が成立したものの、各地で武装勢力や地域紛争による暴力が続いている。今回の事件は和平後も残る土地問題と治安不安の深刻さを改めて浮き彫りにした。
