トランプ氏「ポーランドに米兵5000人追加配備」困惑するNATO同盟国
問題の発端はトランプ氏が今月上旬、ドイツ駐留部隊を中心に約5000人規模の兵力削減を進めると表明したことだった。
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北大西洋条約機構(NATO)加盟国の間で、トランプ米政権の対欧州軍事政策を巡る混乱が広がっている。トランプ(Donald Trump)大統領が今月、欧州駐留米軍5000人規模の削減方針を示した直後、一転してポーランドへ追加で5000人を派遣すると表明したためだ。度重なる方針転換に、加盟国の外交・防衛当局者からは困惑と不信の声が上がっている。
問題の発端はトランプ氏が今月上旬、ドイツ駐留部隊を中心に約5000人規模の兵力削減を進めると表明したことだった。米政府はポーランドへの部隊ローテーション停止や、ドイツへの長距離ミサイル部隊派遣中止なども進めており、欧州では「米国が安全保障上の関与を後退させる」との懸念が強まっていた。
ところがトランプ氏は22日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「ポーランドに追加部隊5000人を送る」と突如発表した。背景には、親米姿勢を示すポーランドのナブロツキ(Karol Nawrocki)大統領との関係強化があるとみられている。これにより、実際の欧州駐留米軍総数は大きく変わらない可能性があるものの、事前調整を欠いた突然の方針変更に同盟国は振り回されている。
スウェーデン南部ヘルシンボリで開かれたNATO外相会合では、各国外相から困惑の声が相次いだ。スウェーデン外相は「非常に分かりにくく、対応が難しい」と述べた。一方、ラトビアなど東欧諸国は「現時点では部隊態勢に変化はない」と比較的冷静な姿勢を示したが、水面下では米国の信頼性低下への懸念が広がっている。
米国内でも混乱が生じている。AP通信は米国防当局者の話しとして、「我々も何が起きているのか分からない」と報じた。削減方針に対応するため、NATO軍司令部や各国軍は既に代替計画の策定を進めていたためだ。米軍再配置はロシアへの抑止力に直結する問題であり、頻繁な方針変更は同盟全体の防衛計画にも影響を与える。
ルビオ(Maro Rubio)米国務長官は22日、「欧州駐留米軍は最終的に減少していく」と認めつつ、「これは懲罰的措置ではなく、世界規模での戦力再編の一環だ」と説明した。しかし、トランプ政権はNATO加盟国の防衛負担不足を繰り返し批判しており、欧州側では「米国第一主義」に基づく同盟軽視との見方も根強い。
現在、欧州には約8万人の米軍兵士が駐留している。ロシアの脅威が続く中、欧州各国は防衛力強化を急いでいるものの、米国の不透明な姿勢はNATO内部の結束に新たな亀裂を生みつつある。
