◎反政府勢力「3月23日運動(M23)」は23日、北キブ州の州都ゴマから数十キロの地点にある町の支配権を放棄した。
コンゴ民主共和国、北キブ州郊の道路、陸軍の兵士(Getty Images)

コンゴ軍は25日、反政府勢力「3月23日運動(M23)」が東部の主要都市ゴマ周辺から撤退したことについて、「陸軍をおびき寄せる罠の可能性がある」という見方を示した。

軍報道官によると、M23は他の地域に形成した防衛線および陣地を強化しているという。

M23は23日、北キブ州の州都ゴマから数十キロの地点にある町の支配権を放棄した。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

軍報道官によると、M23は現在、ゴマ西部の集落に狙いを定めているという。

また報道官は州郊外で23日にM23と武装民兵APCLSが衝突したことにも言及。「テロリストは撤退したと見せかけ、民兵を追い払い、領土を拡大しようとしている」と指摘した。

M23の報道官はこの衝突に関する声明を出しておらず、詳細は分かっていない。

この紛争に巻き込まれた市民は数十万人と推定され、20万人以上がゴマに避難したと報告されている。

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