◎北キブ州のコンゴ軍報道官は15日、市民に落ち着きを求め、誤情報に惑わされないよう警告した。
2022年11月15日/コンゴ民主共和国、東部の北キブ州郊外、州都ゴマに避難する人々(Moses Sawasawa/AP通信)

コンゴ民主共和国東部で15日、反政府勢力「3月23日運動(M23)」が軍を押しのけ前進しているという噂が流れ、数千人が北キブ州の州都ゴマに逃亡した。

報道によると、軍とM23の戦闘は同州の郊外で続いているとみられるが、戦況は明らかになっておらず、M23が集落に向かっている兆候は今のところみられないという。

しかし、SNSなどで誤った情報が拡散し、パニック避難を引き起こしたようだ。

AP通信の取材に応じた女性は、「避難せよという情報が避難キャンプに入り、大急ぎで荷物をまとめた」と語った。「M23は数百メートル先に迫っているという噂が流れています...」

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させた。

コンゴ政府はルワンダ政府がM23を支援していると非難しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

地元の活動家や団体によると、M23はこの数週間でいくつかの重要な町を掌握し、支配地域を2倍以上に拡大したという。

北キブ州のコンゴ軍報道官は15日、市民に落ち着きを求め、誤情報に惑わされないよう警告した。

また報道官はM23が誤情報を拡散していると示唆した。

東アフリカ諸国はコンゴの混乱が地域全体に広がる可能性があると懸念している。

ケニアのケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)前大統領は15日、北キブ州ゴマに到着し、記者団の取材に応じた。

ケニヤッタ氏は戦争を終結させる和平交渉を開始すると約束し、M23に武器を置くよう求めた。

ケニア陸軍の第一陣は12日に北キブ州に入り、ゴマに駐留する予定だ。東アフリカ共同体(EAC)は今年6月の首脳会議でコンゴ東部に支援部隊を派遣することに合意した。ウガンダ、ブルンジ、南スーダンも部隊を派遣する予定。

2022年11月15日/コンゴ民主共和国、東部の北キブ州郊外、州都ゴマに避難する人々(Moses Sawasawa/AP通信)
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