◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
2022年1月28日/コンゴ民主共和国、東部・北キブ州の集落(Moses Sawasawa/AP通信)

コンゴ民主共和国当局は12日、東部・北キブ州の反政府勢力が民間人少なくとも19人を殺害し、保健所や民家に火を放ったと明らかにした。

国営メディアによると、攻撃を受けたのは州都ゴマの郊外に位置する集落。イスラム国(ISIS)系組織のひとつである「民主同盟軍(ADF)」の戦闘員とみられる男たちが銃やナタで住民を虐殺したという。

北キブ州政府の関係者は国営テレビのインタビューで、「ADFのテロリストは住民少なくとも19人を虐殺し、保健所や民家に火を放った」と語った。

北キブ州ではこの数日、ADFの攻撃が相次ぎ、複数の集落で数十人が殺害されている。陸軍も12日に声明を発表し、犠牲者はナタや斧で切り刻まれていたと報告した。

ISISを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通は11日、ADFがコンゴ東部で先週35人以上のキリスト教徒を「処刑」したとする犯行声明を掲載した。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

一部の武装勢力は自分のコミュニティや土地を守るために武器を取った。ADFは主に北キブ州で活動してきたが、最近は隣のイトゥリ州でも攻勢を強めている。

国連やアフリカの同盟国による暴力を抑える努力はほとんど成果を上げていない。

国連の専門家パネルは昨年末に公表した報告書で、「コンゴとウガンダの軍隊は1年ほど前から共同作戦を続けているものの、ADFを倒すことも弱体化させることもできなかった」と結論付けた。

国連、欧米諸国、人権団体はADFが子供を含む多くの民間人を虐殺、拷問、拉致したと非難している。米政府は今月初め、ADFのリーダーであるムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に最大500万ドル(約6億7000万円)の報奨金を提供すると発表した。

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