SHARE:

コンゴ・エボラ流行、感染拡大続く、確定症例635人に

今回の流行はエボラウイルスの「ブンディブギョ株」によるもので、5月中旬に正式に確認された。
2026年6月10日/コンゴ民主共和国、北東部イトゥリ州ブニアの医療センター(ロイター通信)

コンゴ民主共和国東部で「エボラ出血熱」の感染拡大が続いている。当局は10日、感染者が新たな保健区域で確認されたと発表し、流行地域がさらに広がったことを明らかにした。今回新たに感染が確認されたのは北東部イトゥリ州のチョミア保健区域で、感染が確認された区域は全国で26カ所に増加した。

今回の流行はエボラウイルスの「ブンディブギョ株」によるもので、5月中旬に正式に確認された。この株に対しては有効性が確立されたワクチンや治療法がなく、感染拡大の抑制が大きな課題となっている。世界保健機関(WHO)は監視体制の強化や接触者追跡、治療体制の整備を進めているものの、地域の治安悪化や住民移動の多さが対策を難しくしている。

保健当局によると、10日時点の確定感染者は635人、死者は127人となった。過去24時間だけでも新たに37人の感染と12人の死亡が確認され、依然として感染拡大の勢いは衰えていない。一方で、同期間に8人が回復し、累計回復者は30人となった。

感染者の94%以上はイトゥリ州に集中しているが、北キブ州や南キブ州にも感染が広がっている。これらの地域では武装勢力による治安不安や住民の避難生活が続き、医療機関へのアクセスが制限されるケースも少なくない。専門家はこうした社会的要因が感染拡大を助長していると指摘している。

さらに、検査体制にも問題が生じている。WHOによると、北キブ州と南キブ州にある3つの検査施設で試薬不足が発生し、一時的に検査業務が停止した。感染状況の把握が遅れれば、封じ込め対策にも影響が及ぶ可能性がある。

WHOは地域住民の協力が感染抑制の鍵になるとして、住民への情報提供や啓発活動の強化を呼びかけている。過去のエボラ流行でも、地域社会との信頼関係の構築が封じ込め成功の重要な要素となった。国際社会も支援を拡大しており、米国政府は10日、周辺国の監視体制や検査能力の向上を目的とする追加支援を発表した。

感染拡大が続く中、保健当局は今後も新たな患者が確認される可能性が高いとして警戒を強めている。流行の中心地であるイトゥリ州をはじめ、周辺地域での迅速な対応が求められている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします