◎チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年の独立以来、政治情勢が安定したことは一度もない。
2022年10月20日/チャド、首都ンジャメナ、軍事政権に抗議するデモ(AP通信)

アフリカ中部・チャドで28日、野党グループが首都ンジャメナの国家安全保障局事務所を襲撃し、数人が死亡した。

大統領府の報道官は声明で、「デビ政権の転覆を企てる野党勢力が国家安全保障局の事務所を襲撃した」と非難した。

それによると、この野党グループはデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領のいとこが率いている。

報道官は襲撃の詳細を明らかにしなかったが、「警察が何人かを逮捕し、現場から逃走した数人を追っている」と述べた。

一方、別の野党グループの財務責任者が同日、司法長官の暗殺を企てたとして逮捕された。

イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。

政府は昨年、1年半の政権移行期間をさらに2年延長すると発表。国中で抗議デモが発生した。

政府は27日、大統領選を5月6日に実施すると発表した。

現地メディアによると、28日午後にンジャメナのインターネットが突然切断されたという。

チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年の独立以来、政治情勢が安定したことは一度もない。

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