◎チャドではこの数カ月、軍事政権に対する前例のない抗議デモが各地で続き、緊張が高まっている。
2022年10月20日/チャド、首都ンジャメナ、軍事政権に抗議するデモ(AFP通信)

チャド政府は7日、国を不安定にし、憲法を弱体化させようとする企てを阻止したと発表した。

大統領府の報道官は声明で、「人権活動家と兵士で構成される11人がこの計画に関与した疑いで拘束された」と説明した。

地元メディアによると、11人は先月逮捕されたという。

報道官は「憲法秩序の破壊、犯罪組織の結成、銃器の不法所持、共謀の罪で調査を進めている」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

AP通信によると、11人のうち1人は人権活動家。残り10人は兵士。

チャドではこの数カ月、軍事政権に対する前例のない抗議デモが各地で続き、緊張が高まっている。

デビ(Mahamat Idriss Deby)大統領代行は昨年4月、父親のイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領が反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死したことを受け、軍の最高司令官から大統領代行となり、議会を解散、軍事評議会を発足させた。

野党は当時、この動きをクーデターと非難したが、昨年10月に現在の体制を24カ月間維持することに合意した。

ンジャメナと第2の都市ムンドゥで昨年10月に行われた抗議デモでは市民少なくとも60人が治安部隊に射殺されたと伝えられている。

一部のアナリストは今回の逮捕について、「反体制派の意見を封じ込めるもの」と指摘している。

モロッコのシンクタンク「Policy Center for the New South」のシニアフェローはAP通信の取材に対し、「現政権に満足していない人々がいる」と語った。

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