◎ブルキナは人口約2000万人の内陸国。10数年前からアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織による暴力に悩まされてきた。
ブルキナファソとマリの国境付近、難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は29日、アフリカ西部・ブルキナファソの軍事政権が8月に発生した武装勢力の襲撃において、市民を不必要に危険にさらしたと非難した。

国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)は8月、中部地方の集落を襲撃し、100~200人の市民を殺害したとされる。

HRWは29日に公表したレポートの中で、複数の生存者の話しとして、「治安部隊はJNIMの攻撃を予見し、前哨基地を守るために村人に塹壕掘りを強制した」と報告した。

それによると、JNIMは前哨基地や集落にいた村人に向けて無差別に発砲したという。

JNIMは犯行声明の中で、標的となった村人全員が軍政と連携する民兵の戦闘員であったと主張している。

HRWはビデオ分析と目撃証言により、「数十人の子供を含む少なくとも133人が殺害され、少なくとも200人以上が負傷したことを確認した」としている。

またHRWは治安当局が民間人を避難させず、塹壕掘りを手伝わせたり、基地周辺に集めるなど、危険にさらしたと非難した。

ブルキナは人口約2000万人の内陸国。10数年前からアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織による暴力に悩まされてきた。

22年9月のクーデターで前軍政を追放したトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派との全面戦争を宣言しているが、厳しい戦いを強いられている。

この紛争による死者は数万人、避難者は200万人以上と推定されている。被害の全容は明らかになっておらうず、調査が進む目途も立っていない。国土の半分は軍政の管理下にない。

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