◎ブルキナファソの隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
2022年4月15日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグの医療機関(Sophie Garcia/AP通信)

ブルキナファソの軍事政権は今週、イスラム過激派を掃討するここ数週間の取り締まりで兵士11人とテロリスト112人が死亡したと発表した。

陸軍が10日遅くに出したプレスリリースによると、国土奪還作戦の一環としていくつかの大規模な取り締まりを決行したという。作戦開始日は明記されていない。

陸軍は「作戦中、兵士11人が名誉の戦死を遂げ、4人が医療機関で治療を受けている」と報告した。

また陸軍は「テロリスト112人を無力化(殺害)し、多くの武器、車両、爆発物を破壊または押収した」と述べた。

プレスリリースによると、陸軍は過激派の支配下に置かれる北部と東部で作戦を継続中だという。

陸軍は「この作戦により、特定の地域の支配権を取り戻した」と述べている。

地元の人権団体は東部地域で先月末に発生した過激派による集落襲撃で住民少なくとも60人が殺害されたと報告しているが、軍政はこの事件に関する声明を出していない。

AFP通信は10日、この事件を報告した人権団体担当者の話しを引用し、「陸軍はテロリストに虐殺された市民の葬儀を行うためにこの地域に入り、テロリスト掃討作戦を開始した」と報じた。

軍政はこの作戦で過激派から領土を奪還し、平和を確立すると約束している。

ブルキナの隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。

ブルキナで2015年以降の紛争に巻き込まれ難民になった民間人は200万人に達し、1万人以上が死亡したと推定されている。

ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)によると、ブルキナ軍政は国土の約60%しか管理できておらず、残り40%は過激派の支配下に置かれているという。

過激派の暴力は増加傾向にあり、この数週間、ほぼ毎日民間人や兵士が犠牲になっている。

軍政を率いる世界最年少の大統領、ラオレ(Ibrahim Traore)大尉は昨年の就任式で「テロリストの群れに占領された領土を征服する」と宣言。先月には「狂ったジハーディスト(イスラム聖戦主義者)を打ち負かす」と決意表明した。

2022年10月2日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグ、トラオレ大尉(中央)(ロイター通信)
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