米国から国外追放されたラオス国籍の男性、エスワティニの刑務所で1年以上拘束後に釈放
チョムサバンさんはエスワティニに居住歴や家族関係などのつながりがなく、同国で犯罪に問われたわけでもなかった。
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米国からアフリカ南部のエスワティニに国外追放され、1年以上にわたって刑務所に収容されていたラオス国籍の男性が4日、釈放された。トランプ政権が進める「第三国送還」政策の下で、本人と何のつながりもない国に移送された事例であり、移民政策をめぐる法的手続きや人権上の問題が改めて浮き彫りになっている。
釈放されたのはフォン・チョムサバン(Phone Chomsavanh)さん。2025年7月、米国から5人の移民とともにエスワティニへ送られた。米国では重大犯罪で有罪判決を受けていたが、すでに刑期を終えていたという。それにもかかわらず軍用輸送機で同国へ移送され、到着後は首都ムババーネ近郊の矯正施設に収容された。
チョムサバンさんはエスワティニに居住歴や家族関係などのつながりがなく、同国で犯罪に問われたわけでもなかった。弁護士によると、本人がエスワティニへ送られることを知らされたのは、航空機が到着する直前だった。釈放後、チョムサバンさんは南アフリカのヨハネスブルクを経由してラオスへ向かっているという。
第三国送還は、母国が受け入れない、あるいは帰国が困難な移民を別の国へ移送する仕組みだ。トランプ政権は国外退去命令を受けた人を迅速に米国から排除するための手段だと説明している。一方、人権団体や弁護士は、移送先で迫害や拷問の危険があるかどうかを本人が争う機会が十分に保障されていないと批判している。
エスワティニはこの政策に基づき、これまで約30人を受け入れ、米国から約510万ドルの支払いを受けたとされる。また、第三国送還によって米国からアフリカ諸国へ移された移民は500人に上ると人権団体は推計している。
米連邦最高裁は9月、第三国への迅速な送還を一時的に認める判断を示した。ただし、政策そのものの適法性については今後審理する予定である。チョムサバンさんのケースは、犯罪歴のある移民への対応という問題に加え、刑期を終えた人物を本人と無関係な第三国へ送り、そこで長期間拘束することが適正な手続きと言えるのかという重大な問題を突きつけている。
