◎反乱軍は9月30日遅くに国営テレビ局に押し入り、陸軍のトラオレ大尉が国を率いると宣言した。
2022年9月30日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーの大統領府近く、クーデターを支持する人々(Getty-Images/AFP通信)

アフリカ連合(AU)は1日、ブルキナファソの反乱軍によるクーデターを違憲と非難した。

軍は今年1月、国の治安を維持できなかったとしてカボレ(Roch Kabore)大統領を追放した。大統領代行に就任したダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐は治安回復を目指していたが、サヘル地域に拠点を置くイスラム過激派は各地で攻撃を続け、この半年で民間人2000人以上を殺害した。

反乱軍は9月30日遅くに国営テレビ局に押し入り、陸軍のトラオレ(Ibrahim Traore)大尉が国を率いると宣言した。

首都ワガドゥグーの市民は様々な反応を見せている。

大統領府前ではクーデターを支持する集会が開催され、数百人がダミバ氏の追放を祝った。

あるデモ隊はロシアの国旗を振り回し、「ロシア軍が助けにやってくる」と主張した。このデモに参加したとみられるSNSユーザーは「ロシアの核兵器で過激派を倒そう」と投稿している。

サハラ砂漠以南のサヘル地域で進行中の紛争はこの数カ月で激しさを増し、多くの民間人と兵士が犠牲になった。国連によると、マリ、ニジェール、ブルキナで今年イスラム過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。

西アフリカではこの2年、クーデターが相次ぎ、マリとギニアでも軍事政権が発足している。マリ軍はロシアの民間軍事会社「ワグネル」と契約を結び、過激派との戦いを有利に進めているとみられる。

軍事政権に反対する人々も市内で行進した。

AP通信の取材に応じた男性は、「指導者は銃を置き、国会で協議すべきだ」と訴えた。「意見が合わないという理由で銃を突きつけないでください...」

AUのマハマト(Moussa Faki Mahamat)委員長は1日の声明でクーデターに深刻な懸念を表明し、2024年7月までに文民政府に移行するというダミバ氏の約束を守るよう要求した。

ブルキナの旧宗主国であるフランスはワガドゥグー在住の仏国民約5000人に自宅にとどまるよう求めている。

EUも今年2回目のクーデターに懸念を表明し、米国はすべての当事者に銃を置くよう求めた。

2022年3月2日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーの政府庁舎、ダミバ中佐(Getty Images/AFP通信)
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