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リビア東部沖で移民船転覆、50人死亡、海難事故絶えない地中海ルート

事故は東部の港湾都市トブルク沖の小島付近で14日に発生。転覆の原因は明らかになっていない。
2017年2月3日/リビア北部の地中海、移民希望者を乗せたボート(Getty Images/AFP通信)

アフリカ北部・リビア東部沖の地中海で、欧州を目指していた移民船が転覆し、少なくとも50人が死亡した。リビア沿岸警備隊によると、船には女性や子どもを含む約60人が乗船し、10人は近くの島まで自力で泳ぎ救助されたものの、少なくとも50人が行方不明になっている。沿岸警備隊は現場海域で捜索活動を続けているが、生存者はいないとみられる。

事故は東部の港湾都市トブルク沖の小島付近で14日に発生。転覆の原因は明らかになっていない。移民を欧州へ密航させる人身売買組織はボロボロの木造船や頼りないゴムボートなど、安全性の低い船を使用する。そのため、地中海では同様の海難事故が後を絶たず、多くの命が失われている。

リビアは2011年のカダフィ政権崩壊以来、政治的混乱が続いている。治安の悪化に伴い、人身売買組織や密航業者が勢力を拡大し、戦争や貧困から逃れてきたアフリカや中東の人々を欧州へ送り出す主要な中継地となった。移民たちは危険を承知で地中海横断に挑むが、十分な装備を備えない船で長距離航海を強いられることが多く、事故や遭難の危険性が極めて高い。

今回の事故はこの海域で相次ぐ移民船事故の一つに過ぎない。前月にもリビア東部沖で移民船が転覆し、51人が行方不明のままである。地中海中央ルートは世界で最も危険な移民ルートの一つとされ、国連の専門機関である国際移住機関(IOM)によると、2026年1月~5月中旬までに800人以上が死亡または行方不明となった。

また海上で救助後にリビアへ送還された移民は、劣悪な環境の収容施設に移され、暴行や拷問、強制労働などの人権侵害を受けるケースも報告されている。国連はこうした実態を「人道に対する罪」に相当する可能性があると指摘しており、各国に対して移民保護の強化と密航組織の取り締まり強化を求めている。今回の事故は地中海を巡る移民問題の深刻さと、安全な移住経路の確保という国際社会の課題を改めて浮き彫りにした。

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