◎センザンコウは絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)で2016年から保護されている。
2023年8月17日/タイ、首都バンコク、警察の記者会見(Sakchai Lalit/AP通信)

タイ当局が絶滅危惧種に指定されているセンザンコウの鱗1トン超を押収した。バンコク警察が17日、明らかにした。

センザンコウは絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)で2016年から保護されている。

バンコク警察の報道官は記者会見で、「押収した鱗の取引価格は約5000万バーツ(約140万ドル、2億円)以上とみられる」と語った。

また報道官は北東部のラオス国境に近い集落で鱗を押収したと明らかにした。

当局は鱗の不法所持で男2人を現行犯逮捕した。警察によると、2人は容疑を認めているという。

センザンコウの鱗は1kgあたり約4万バーツでマレーシアからタイに運ばれ、ラオスに向かっていたとみられる。

当局は鱗がラオスから中国の顧客に向けて販売される予定だったとみているようだ。正確な輸送経路は明らかにされておらず、当局が捜査を続けている。

バンコクの記者会見で公開された鱗には漢字と数字がかかれていた。鱗は乾燥され、すぐに漢方薬に使えるような状態だった。

専門家によると、乾燥した鱗を1トン以上集めるためには大人の個体3000~4000匹が必要だという。

センザンコウの鱗は漢方薬に使われ、サイの角にも含まれるケラチンというたんぱく質が豊富である。センザンコウの肉はベトナムや中国の一部で珍味として取り扱われている。

センザンコウの鱗や肉の需要は密猟に拍車をかけ、個体数を減少させている。

タイ当局は2017年、センザンコウの鱗約3トンと100匹以上の生きたセンザンコウを押収。密売に関与したとされる組織を摘発した。

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