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米EV大手テスラ、中国で300万台リコール、ドアハンドルのリスクに対応

今回のリコールはテスラだけの問題ではない。
2026年4月14日/中国、上海市のテスラ工場(AP通信)

米電気自動車(EV)大手テスラが中国で約298万台の車両のリコールを進めている。対象は中国で生産された車両と輸入車で、「モデル3」「モデルY」「モデルX」「モデルS」が含まれる。中国国家市場監督管理総局(SAMR)が21日、明らかにした。

それによると、重大な衝突などで電気系統が機能しなくなった場合、ドアの緊急開放機構が分かりにくかったり操作しにくかったりすることで、運転手が車外へ脱出できなかったり、外部から救助しにくくなったりする恐れがある。

今回のリコールはテスラだけの問題ではない。中国では21日、複数の自動車メーカーが400万台を超える大規模なリコールを届け出た。スマートフォン大手シャオミは約39万台、零跑汽車(リープモーター)は約37万台を対象とし、大手の吉利汽車などもリコールを実施する。いずれも、事故や電源障害が発生した際に乗員が緊急脱出するためのドア機構が主な対象となっている。

テスラは対象車両に対し、ソフトウエアの無線更新(OTA)などを行って安全性を高める。規制当局は深刻な衝突で低電圧電源が失われた場合、電子式のドア機構が作動しなくなる可能性を問題視している。今回の対応では、乗員が緊急用の機械式開放装置を見つけやすくするための警告表示や、事故後に窓を自動的に下げる機能なども導入される。部品を大量に交換するのではなく、ソフトウエア更新を活用することで、メーカー側の負担を抑えながら安全対策を進める狙いがある。

背景には、中国政府によるEVの安全規制強化がある。共産党は今年2月、2027年から新型車を対象に、完全に隠れたタイプのドアハンドルを事実上禁止する新たな安全基準を公表した。近年、事故や火災の際に電子式のドアが開かず、乗員が車内に閉じ込められたり、救助活動が妨げられたりする事例が相次いだことが背景にある。従来は車両デザインや空気抵抗低減の観点から採用が広がったフラッシュ式ドアハンドルだが、安全面での弱点が問われている。

中国中央テレビ(CCTV)は今回の一斉リコールについて、2027年の規制導入を前にした既存車両の「統一的な安全性向上」と報じた。中国ではEV市場の競争が激化する一方、技術革新の速さだけでなく安全性を重視する姿勢が強まっている。

テスラにとって中国は主要市場であり、今回の大規模リコールは先進的なデザインや電子制御を重視してきたEVメーカーが、安全規制への対応を迫られていることを象徴する動きとなった。

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