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台湾政府「米国の武器売却計画、停止や延期の通知受けていない」

米国は1979年の台湾関係法に基づき、台湾の自衛能力維持を支援してきた。
  • 2026年2月3日/台湾、首都台北、頼清徳 総統(ロイター通信)
  • 2026年5月14日/中国、首都北京、習近平国家主席(右)とトランプ米大統領(AP通信)

    台湾政府は22日、米国による総額140億ドル規模の武器売却計画について、「停止や延期の通知は受けていない」と明らかにした。これに先立ち、一部米メディアが、トランプ政権が中国との関係悪化を避けるため武器売却手続きを一時停止する可能性があると報じていたが、台湾側は米国との安全保障協力に変更はないとの立場を示した形だ。

    台湾国防部の報道官は記者会見で、「現在のところ、米国側から計画停止に関する正式な連絡はない」と述べた。そのうえで、「台湾と米国は引き続き緊密な防衛協力を維持している」と強調した。今回の武器売却計画には対空ミサイルシステムや沿岸防衛兵器、無人機(ドローン)関連装備などが含まれているとされ、中国による軍事圧力への抑止力強化が目的とみられている。

    米国は1979年の台湾関係法に基づき、台湾の自衛能力維持を支援してきた。中国と正式な外交関係を結ぶ一方で、台湾には防衛用兵器を供与する「戦略的曖昧さ」政策を維持している。しかし近年、中国が台湾周辺で軍事演習を拡大し、航空機や艦船による活動を常態化させていることから、米国の対台湾支援は強化されてきた。バイデン前政権下でも大型武器売却が繰り返され、中国側はそのたびに強く反発している。

    今回浮上した「停止観測」の背景には、米中関係の緊張緩和を模索するトランプ政権の外交姿勢があるとみられている。トランプ(Donald Trump)は中国との貿易摩擦や台湾問題をめぐり強硬姿勢を見せる一方、経済面では一定の協調も模索している。特に半導体供給網や関税問題をめぐり、米中間では複雑な駆け引きが続いている。

    中国政府は台湾への武器売却を「主権侵害」として一貫して反対している。中国外務省は今週、「米国は台湾問題で火遊びをやめるべきだ」と警告し、台湾独立勢力への支援を停止するよう求めた。中国は台湾を自国領土の一部とみなし、必要であれば武力統一も排除しない姿勢を示している。これに対し台湾側は、「台湾の未来は台湾市民が決める」と主張している。

    台湾では頼清徳(Lai Ching-te)政権が発足して以降、中国による軍事圧力が一段と強まっている。今年に入ってからも、中国軍機が台湾の防空識別圏(ADIZ)へ連日のように進入し、中国海軍艦艇による台湾周辺活動も活発化している。台湾政府は防衛予算の増額を進め、非対称戦力の整備を急いでいる。特にミサイルや無人機、機動性の高い兵器への投資を重視している。

    今回の報道をめぐり、市場では米台関係への影響を懸念する声も出たが、台湾政府は「協力関係は揺らいでいない」と強調している。今後、米国側が正式にどのような方針を示すのか、また中国側がどのように反応するのかが注目されている。

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