韓国の企業統治改革に停滞感、サムスンが株主還元策で慎重姿勢、海外投資家の不満強まる
海外投資家は韓国最大級の財閥企業に対し、株主還元の拡大や経営構造の透明化を求めているが、サムスンをはじめとする大手財閥グループの対応は鈍い。
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韓国政府が進める企業統治改革が停滞している。海外投資家は韓国最大級の財閥企業に対し、株主還元の拡大や経営構造の透明化を求めているが、サムスンをはじめとする大手財閥グループの対応は鈍い。金融機関では改革が進む一方、一般企業では抵抗が強まり、イ・ジェミョン(Lee Jae-myung)大統領が掲げる韓国株の割安状態、いわゆる「コリア・ディスカウント」の解消に暗雲が漂っている。
韓国総合株価指数(KOSPI)は2026年に入り一時大幅に上昇し、約35%高となった。しかし、LSEGのデータによると、上場企業の約70%が株価純資産倍率(PBR)1倍以下で取引されている。韓国市場の予想株価収益率(PER)は約3.85倍で、世界株指数の17.64倍を大きく下回る。
象徴的なのがサムスン電子だ。同社は2026年第3四半期(7~9月)に、テクノロジー企業として史上最大規模の四半期営業利益を記録した。それにもかかわらず、PBRは1.87倍にとどまり、米マイクロンの7.8倍、エヌビディアの29倍、アップルの44倍を大きく下回る。
海外投資家は、サムスンの株主還元策が不十分だと批判している。申齊潤(シン・ジェユン)取締役会長は、キャピタル・グループ、アーティザン、フィデリティなどの海外投資家から還元方針への不満を伝えられ、先月の決算発表前に海外投資家と面会した。投資家側は配当の増額よりも、自社株買いと消却を優先するよう求めたという。
サムスンは8月、過去最高となる30兆ウォンの配当を発表した一方、株主還元に充てる残り55兆~75兆ウォンの使途については、決定を2027年1月まで先送りした。競合のSKハイニックスが10月、配当や自社株買い・消却を含む750億ドル規模の株主還元策を発表したこととは対照的だ。
韓国では3月に商法改正が施行され、企業に対して2027年9月までに自己株式の消却を義務付ける制度が導入された。金融株では改革への評価が進む一方、財閥系企業には慎重姿勢が残る。
アクティビスト投資家もサムスンの資本配分や優先株の買い戻しを求めており、政府の改革が実際の企業行動に結び付くかが焦点となっている。
