トルコ、北キプロスとのガスパイプライン計画で全島への電力供給も可能と表明
キプロスは1974年、ギリシャ系住民によるクーデターを受けたトルコ軍の軍事介入以降、南北に分断されている。

トルコのバイラクタル(Alparslan Bayraktar)エネルギー相は月6日、トルコと隣国の島国キプロスから分離独立した「北キプロス・トルコ共和国(通称北キプロス)」を結ぶ天然ガスパイプライン計画について、将来的にはキプロス島全体への電力供給につながる可能性があるとの見解を示した。イスタンブールでメディア関係者に語った。
計画では、トルコ南部アナムルと北キプロスを結ぶ全長101キロメートルのパイプラインを建設する。大部分は海底を通過し、トルコから天然ガスを輸送して、北キプロスに設置するガス火力発電所の燃料として利用する。パイプラインは欧州との接続も視野に入れた設計となっている。
バイラクタル氏によると、北キプロス側が自らの電力需要を満たした後、余剰電力をキプロス政府に販売することも可能になる。実現には双方の合意が必要だが、エネルギー分野での協力を通じて、島の南北間の関係改善につながる可能性もある。
また、東地中海で天然ガスが発見された場合、パイプラインを逆方向に利用し、キプロスからトルコを経由して欧州市場へ輸送する構想も示した。トルコはギリシャとのエネルギー協力にも前向きだという。
キプロスは1974年、ギリシャ系住民によるクーデターを受けたトルコ軍の軍事介入以降、南北に分断されている。トルコは北キプロスを国家として承認する唯一の国であり、南部のキプロス政府を承認していない。一方、ギリシャ、キプロス、欧州連合(EU)はトルコが支持する二国家解決案に反対している。
東地中海では、天然資源の探査や海洋管轄権をめぐり、トルコ、ギリシャ、キプロスの対立が続く。今回の計画は北キプロスのエネルギー安全保障を強化する一方、島全体への供給には政治的な合意が不可欠となる。
