SHARE:

ベトナム警察が動物密売組織を摘発、400匹以上の猫を保護

警察によると、組織は各地で飼い猫や野良猫を大量に集め、食肉として流通させるために輸送していたとみられる。
2026年6月17日/ベトナム、ホーチミンで保護されたネコたち(AP通信)

ベトナム警察が中部地域で活動していた動物密売組織を摘発し、食肉用として売買される直前だった400匹以上の猫を保護した。地元メディアが17日に報じた。警察によると、組織は各地で飼い猫や野良猫を大量に集め、食肉として流通させるために輸送していたとみられる。複数の容疑者が拘束され、当局は組織的な犯行の全容解明を進めている。

摘発は中部クアンナム省で実施された。警察は捜索の結果、狭い金属製のケージに押し込められた多数の猫を発見した。保護された猫は400匹を超え、多くが長時間の輸送によってひどく衰弱していたという。一部の猫は脱水症状や栄養失調の状態にあり、関係当局が緊急治療やエサやりを行った。

警察によると、摘発されたグループは複数の地域で猫を盗み、食肉業者へ販売していた疑いがある。猫は住宅街や市場周辺などで捕獲され、トラックで各地の食肉処理施設へ運ばれていたとみられる。警察は容疑者たちが長期間にわたり組織的に活動していた可能性が高いとみて、流通経路や関係業者についても調査を進めている。

ベトナムでは犬や猫を食べる習慣が一部地域に残っている。近年は若い世代を中心にペットとして飼育する文化が広がり、猫や犬の食肉消費は減少傾向にあるものの、依然として一部の地域では需要が存在する。特に猫肉は「小虎」と呼ばれ、一部の飲食店で提供されている。

こうした需要を背景に、猫や犬の窃盗が社会問題となっている。飼い主がペットの失踪を訴えるケースが後を絶たず、盗まれた動物が食肉市場へ流されているとの指摘が以前から出ていた。しかし、動物窃盗の実態把握や取り締まりは十分ではなく、動物保護団体は法整備の強化を求めている。

今回保護された猫の多くは飼い主が不明で、当局は健康状態の確認を進めながら引き取り先を探している。一部の猫には首輪や識別情報が残っており、飼い主との再会が期待されている。保護活動に参加した関係者は「猫たちは非常に劣悪な環境に置かれていたが、生き残ることができた。できる限り元の家庭へ戻したい」と話している。

動物愛護に対する意識が高まる中、今回の摘発はベトナム国内で大きな注目を集めた。SNS上では保護された猫たちの写真が広く共有され、多くの市民が救出を歓迎する声を上げている。一方で、食肉目的の動物取引や窃盗を根絶するためには、取り締まりだけでなく社会全体の意識改革も必要だとの指摘が出ている。今回の事件はベトナム社会における動物福祉の課題を浮き彫りにした。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします