◎カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、この数カ月、テロ攻撃が相次いでいる。
2021年8月21日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所(Muhammad Sajjad/AP通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州の北ワジリスタンで陸軍と武装勢力による銃撃戦が発生し、兵士1人が死亡した。地元当局が10日、明らかにした。

それによると、陸軍の部隊は北ワジリスタン中心部の町で武装勢力の拠点を捜索していたという。

カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、この数カ月、テロ攻撃が相次いでいる。

同州の交易の要衝であるトルカム国境検問所付近では今週、銃撃戦が発生し、陸軍兵士4人とテロリスト12人が死亡した。

パキスタン当局はこの事件を受け、トルカム国境検問所を閉鎖。野菜や果物などの生鮮品を積んだトラックが何十台も並び、検問所の再開を待っている。

この検問所では今年2月にも衝突があり、数日間閉鎖された。

カイバル・パクトゥンクワ州商工会議所によると、トルカム国境検問所をすぐに開放しなければ、貿易業者は数百万ドル相当の生鮮品を失うことになるという。

同商工会議所は声明で、「今すぐ問題を解決する必要がある」とパキスタン・アフガン両政府に訴えた。

一方、パキスタン政府は10日、トルカム国境などでイスラム過激派による越境攻撃が増加しているとして、タリバン(アフガン政府)と協議を進めていると明らかにした。

首相府の報道官は記者団に対し、「テロ攻撃が増加していることを非常に深刻に受け止めており、アフガン側からの攻撃を阻止する責任はタリバンにある」と語った。

カイバル・パクトゥンクワ州で発生したテロ攻撃の多くにアフガンに拠点を置くTTP(パキスタンのタリバン運動)が関与しているとみられる。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、昨年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

パキスタン陸軍は10日、北西部のチトラル地区で銃撃戦があり、武装勢力の戦闘員7人が死亡、6人が重傷を負ったと発表した。

それによると、この地域に展開された特殊部隊は武装勢力を排除する作戦を実行中だという。

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