◎タリバンの警備員が市民に発砲し、12歳の少年を含む2人が死亡、1人が負傷した。
パキスタン、南西部バルチスタン州(ロイター通信)

アフガニスタンと国境を接するパキスタン南西部バルチスタン州の国境検問所で4日、銃撃戦があり、パキスタンの市民2人が死亡した。

パキスタン陸軍によると、タリバンの警備員が市民に発砲し、12歳の少年を含む2人が死亡、1人が負傷したという。

同陸軍は声明で、「アフガン・タリバンの国境警備員がゲートに向けて発砲したため、応戦せざるを得ず、市民が巻き込まれた」と主張した。

タリバンは声明を出しておらず、警備員が発砲した理由も明らかになっていない。

パキスタン政府はタリバンに対し、このような無責任な行動は断じて容認できず、犯人を速やかに逮捕し、引き渡すよう要請した。

パキスタンは3日、同国に不法入国した移民(その多くがアフガン移民)を取り締まり、国外に追放すると発表した。

同国で生活するアフガン移民は170万人と推定されている。パキスタン首相府は声明の中で、「取り締まりはアフガン人を対象としたものでなく、全ての国籍、全ての不法入国者が対象である」と強調した。

1979~89年の旧ソ連によるアフガン侵攻の際、数百万人のアフガン市民がパキスタンに逃れた。

現地メディアによると、2021年8月のタリバンによる政変後にパキスタンに逃れたアフガン人は10万人と推定されている。

パキスタン警察は近年、有効な書類を持たずに入国したアフガン人を逮捕し、強制送還してきたが、中央政府主導でこのような大規模取り締まりを行うのは今回が初めてである。

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は3日、パキスタン政府の発表に深刻な懸念を表明し、再考を促した。

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