◎アフガニスタンに拠点を置くTTP(パキスタンのタリバン運動)の系列組織とされるイスラム過激派TJPが犯行声明を出した。
2023年12月12日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州デライスマイルカーン、自爆テロで損壊した警察署(Zubair Khan/AP通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州デライスマイルカーンの警察署で発生した自爆テロについて、警察当局は13日、自爆テロ犯が120キロの爆薬を使ったと明らかにした。

このテロはデライスマイルカーンの警察署の正門で12日に発生。爆弾を積んだ車両が爆発し、警察官少なくとも23人が死亡、32人が重軽傷を負った。このうち数人は重体と伝えられている。

攻撃後、アフガニスタンに拠点を置くTTP(パキスタンのタリバン運動)の系列組織とされるイスラム過激派TJP(Tehreek-e-Jihad Pakistan)が犯行声明を出した。

現場で対応に当たった爆弾処理班の班長はAP通信の取材に対し、「テロリストは車内に120キロもの爆薬を積み込み、正門近くで起爆した」と語った。

当局によると、デライスマイルカーンの警察本部には最近、全国の警察署から要員が派遣され、対テロ諜報作戦の準備が進められていたという。

このテロはパキスタン政府とアフガンを統治するタリバン暫定政権の関係をさらに緊張させるものとなった。

パキスタン政府はタリバンがTTPの指導者を受け入れ、パキスタンへのテロ攻撃を黙認していると繰り返し非難してきた。

パキスタン外務省は12日、このテロに抗議するために駐アフガン大使を召喚したと発表。アフガンに対し、警察署襲撃の完全な捜査と加害者に対する厳正な処分を要求するとともに、TTPとTJPを最高レベルで公式に非難するよう要求した。

タリバンのムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は13日、このテロを非難し、調査を約束した。

しかしムジャヒド氏は「このテロとアフガンを結び付けるべきではない」と指摘。パキスタン政府に対し、「自国の安全保障に細心の注意を払うべきだ」と述べた。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、昨年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

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