◎バルチスタン州ではTTP(パキスタンのタリバン運動)やバルチスタン解放軍(BLA)などの過激派が活動しており、この数カ月、各地でテロ攻撃が相次いでいる。
バルチスタン解放軍(BLA)の戦闘員(ロイター通信)

パキスタン南西部バルチスタン州で武装勢力が警察の拠点を襲撃、銃撃戦となり、警察官3人と民兵1人、武装勢力の戦闘員1人が死亡した。地元当局が2日に明らかにした。

それによると、事件はアフガン国境近くの地区で発生。襲撃に関わったとされる武装勢力の戦闘員数人が北西部カイバル・パクトゥンクワ州・北ワジリスタンとの州境付近にある山岳地帯に逃げ込んだという。

州警察の報道官はAP通信の取材に対し、「テロリストは警察と民兵の共同警備拠点に手榴弾、ロケットランチャー、アサルトライフルで攻撃を仕掛けた」と語った。

銃撃戦は約2時間続き、民兵1人と武装勢力の戦闘員2人が負傷。報道官によると、負傷した武装勢力の戦闘員も山岳地帯に逃げ込んだという。

陸軍が山岳地帯とその周辺に部隊を展開し、犯人を追跡している。

報道によると、犯行声明を出した組織は今のところ確認できていないという。

バルチスタン州ではTTP(パキスタンのタリバン運動)やバルチスタン解放軍(BLA)などの過激派が活動しており、この数カ月、各地でテロ攻撃が相次いでいる。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、昨年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

BLAは数十年前から中央政府と戦争状態にあり、隣国イランにもテロ攻撃を仕掛けている。

パキスタン軍は近年、アフガニ国境沿いで大規模な軍事作戦を展開してきた。しかし、バルチスタン州とカイバル・パクトゥンクワ州で活動する過激派のテロ攻撃は止まず、多くの市民が殺害されている。

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