◎警察はあらゆる可能性を考慮し、捜査に当たっている。
2023年8月7日/パキスタン、南部シンド州ナワブシャー近郊、脱線事故現場で復旧作業に当たる人々(Muhammad Osama/AP通信)

パキスタン南部シンド州の旅客列車脱線事故現場で復旧作業が進み、運行が部分的に再開された。地元の鉄道当局が7日、明らかにした。

この事故はシンド州ナワブシャー近郊で6日に発生。首都イスラマバード近郊ラワルピンディ行きの旅客列車(10両)が脱線し、少なくとも30人が死亡、90人以上が負傷した。

州当局によると、亡くなった30人のうち27人の遺体が遺族に引き渡されたという。残り3人の身元は明らかになっていない。

中央政府の報道官は7日、専門家委員も現地で調査に当たっていると明らかにした。

警察はあらゆる可能性を考慮し、捜査に当たっている。

南西部バルチスタン州では今年1月、線路に仕掛けられた爆弾によって旅客列車が脱線し、乗客10数人が負傷。事件後、テロ組織に指定されている「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。

シンド州の現場で記者団の取材の応じた復旧作業の責任者は、「今回の事故は老朽化した線路を放置した結果、起きた可能性が高い」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

ラワルピンディ行きの旅客列車は何らかの原因により脱線し、一部車両が横転した。

車両は本線から取り除かれ、完全復旧に向けた作業が進んでいる。地元のテレビ局は7日、線路で作業に当たるエンジニアの姿を報じた。

パキスタンの線路・信号システムは近代化が進んでおらず、それらの整備不良による重大事故が相次いでいる。

シンド州で2021年に発生した列車同士の衝突事故では少なくとも65人が死亡。満員の旅客列車に貨物列車が突っ込んだ1990年の事故では210人が死亡している。

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